元信者が語る旧統一教会の手口 私はこうして「勧誘される側」から「する側」に回った
「全国霊感商法対策弁護士連絡会」が16日、都内で集会を開催。旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の元信者が教団の勧誘方法について、生々しい体験談を語った。
2010年夏、専業主婦のAさんが自宅の玄関先で掃除中、60代の婦人から「家系に興味ありますか?」と声を掛けられた。明るくて品があり、好印象だった。Aさんはちょうど「先祖について知りたい」と思っていて、つい話に耳を傾けた。
婦人は「家系を学ぶカルチャーセンターから来た」と言うだけで、団体名は明かさなかった。当初、誘いを断っていたが、度々、訪問を受けるうちに「行かないと悪いかな」と思うようになり、Aさんは家系図の先生の講演会に参加した。
講師は「高野山の僧侶の孫」と名乗り、「子孫に影響を与えるから先祖供養が大事」「学びを始める必要がある」「今日は特別に四柱推命を使った鑑定をしてあげる」と家族の生年月日を聞いて鑑定を始めた。Aさんには当時、大学生と小学生の子どもがいた。
「来年1月までに何とかしないと、長男の命に関わることが起こる。先祖供養をするために家系図の勉強をしばらく続けましょう。お母さんが頑張らないといけない」と、使命感と不安をあおられた。団体が「統一教会」と知ったのは、しばらくしてからのことだった。