松本明子さんの経験談“1800万円の維持費”も参考に…実家の「空き家問題」解決の一歩を踏み出すには
この家、どうしようか……。夏休みに帰省して実家の掃除などをして、ふとそう思った人は少なくないだろう。相続した実家が空き家で、売るに売れずに困っている人はどうするか。
◇ ◇ ◇
タレントの松本明子さん(56)は、25年にわたって高松市にあった空き家の実家を維持。振り返ってみると、維持費にベラぼーな金額を費やしたという。
「歌手を目指して15歳で上京後、何とか『電波少年』『DAISUKI!』などのおかげで忙しくなったのは20代半ばでした。私は両親が30代半ばで生まれたので、当時、両親は60代。兄は東京で結婚してマイホームを構えていたし、私に親孝行したい気持ちもあって、27歳で両親を東京に呼び寄せて一緒に暮らすようになったのです。ですから、それから実家は空き家状態でした」
年に数回の帰省に備えて、電気と水道は止めなかったそうだ。
■25年の維持に1800万円
「水道代が約1万円、電気代が約8万円、さらに固定資産税が約8万円、火災保険が約10万円で、それらを合わせると空き家の維持費は年間27万円。その後、帰省の頻度が減ったため、年に2回、シルバー人材センターに庭の植木の手入れをお願いしたので、プラス10万円です。毎月平均で3万円チョイ。決して負担できない金額ではなく、家じまいをズルズルと先延ばししてしまいました。2回のリフォーム代600万円を含めると、売却までの維持費の合計は何と1800万円です。もっと早く売却を決断していればと、つくづく思います」
2003年、父を亡くす。その病床で「明子、高松の実家を頼む」と言われた一言が松本さんの胸に重くのしかかり、実家を何とか残そうという気持ちにさせ、家じまいを遅らせることにつながった。その4年後には、母を失う。両親の喪失感も重なり、空き家問題を考える余裕がなかったという。