リタイア世代の賢いマネープラン「年金&貯金」を4つの視点で考える
「老後が気になりだすのは、多くは50歳前後からでしょうか。その時に、老後資金がどの程度あり、完全リタイアまでに、どの程度お金を残せるか。それがわからないと、リタイア後のマネープランはつくれません」
と話すのは、東京都在住の自営業、鈴木昭典氏(66)だ。
50歳前後とは、子供が社会人になり、教育費という大きな支出が消える年齢。また、家庭ごとに事情は異なるが、親を看取れば、介護の労力やそれに伴うさまざまな支出から解放される年齢だ。
自分や夫婦のリタイア後に必要な老後資金を本格的に準備できるようになるのは、こうした人生の転機を経てからだと鈴木氏は言う。
「独身者も子供のいる夫婦も、老後資金以前に優先すべき支出がある。それまでは、自分たちの老後資金は少額の積み立てレベルでしかできません」
退職金は老後資金確保に有利だが、全額をその資金に回せるのはまれ。退職金のない人もいる。老後のマネープランづくりは何かと厄介なのだ。