ドイツの劇場はノーマスクで“密” 「コロナは恐れる病気ではない」という大人の認識
ドイツの「バイロイト音楽祭」で大作曲家リヒャルト・ワーグナーのオペラ(楽劇)を見てきた。何より驚いたのは、満場の観客の誰もマスクをしていなかったことだ。
会場は独南部バイエルン州のバイロイト祝祭劇場。1876年、ワーグナーが自ら計画し、建設した。木造の劇場で客席も硬い木製。あえて建設当時の雰囲気を変えていない。だが、さすがに音響は最高である。
ワーグナーのオペラは概して長い。超大作「ニーベルングの指環」は4部作で4日間、上演時間は合計20時間半(休憩を含む。実質的な上演時間は約14時間程度)に及ぶ。
おまけに客席にはエアコンがない。
音楽祭は毎年7、8月の真夏に行われるが、劇場はあえて空調を備えていないのだ。数年前、外気温が31.2度のとき客席は40度だった。このつらさは行った者にしかわからないだろう。今回は少し秋めいて涼しかったが。
チケットは抽選販売で、世界中からワーグナー好きが集まる。1900余りの座席は隙間もほぼなく、満席だとまさに“密”だ。