アキラ100% 秩父夜祭の寒い日に家族で温まった「けんちん汁」
アキラ100%さん(ピン芸人/48歳)
裸芸のネタでブレーク後、春クールでは「恋なんて、本気でやってどうするの?」(フジテレビ系)で飯豊まりえのパパ活相手役など、俳優としての活躍が目立つピン芸人のアキラ100%さん。今月15日には年男の誕生日を迎えた。おふくろメシは地元の祭りの日などによく作ってくれた「けんちん汁」。素朴ながら味わい深い料理の作り方を教えてくれた。
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僕が小さい頃からよく作ってくれていました。よく覚えているのは秩父夜祭の日ですね。
日本三大曳山祭のひとつで、大きな祭りなのですが、12月にやるので寒いんですよ。オヤジとアニキは祭りに参加していたので、帰ってくるのが夜遅い。母親はけんちん汁を作って待っていてくれて家族で食べて温まる。
具材とレシピはこの取材のために母親に聞きました(笑)。野菜などの下準備はゴボウはササガキに、ニンジンは薄切り、大根はいちょう切り、里芋は輪切り、そしてちくわを薄切りに。あとは油揚げ、ネギ。
うちはまず鍋に油をひいて豆腐を1丁入れ、細かく崩しながら炒めます。これはもしかしたら珍しいのかな。次にゴボウを炒め、さらに他の野菜も合わせて炒める。よく炒めたら、ダシ汁を加え、味噌を3分の1ほど先に入れ、全体を軟らかく煮込んだら、油揚げ、ネギ、残りの味噌と、醤油をちょっと足す。
うちの特徴としては別に茹でておいたホウレンソウをギュッと絞り、最後に少しだけ上にのせる。彩りがよくなるからかもしれません。食べる前には七味唐辛子を結構かけます。七味が合うんですよ。豚汁みたいにお肉とか入ってないけど、コクがある。東北の方の芋煮とも違うのに、田舎の味わいも感じられる。
子供の頃からすごく好きでした。子供ってゴボウが他の料理で出てきてもあまり食べたくならないけど、けんちん汁に入っているとおいしく感じる。味が締まるというか。
家にある一番でかい鍋で作るんですけど、必ず余るんです。その余りに次の日うどんを入れ、けんちんうどんにして食べる。これがうまい! けんちん汁とご飯もおいしいけど、翌日のうどんが楽しみで。
■改めてレシピを聞いたら「困ったなあ」
母親は中学、高校の時のお弁当もよく作ってくれましたし、料理上手でした。僕が小さい頃には庭で家庭菜園をやっていて、ジャガイモも育てていた。今思えば小さい芋を使って粉吹き芋もよく作ってくれました。
母親いわく「みんなよく食べていた」と。幼いアニキ、僕、妹はおやつみたいに食べていたらしいです。
庭には梅の木が2本あったので、毎年、梅を干して梅干しにしていました。塩がよく効いてうまかったです! 僕が学校から帰って食べようとすると「西日が当たった梅は食うな」と、田舎のおばあちゃんみたいなこと言って(笑)。
母親のけんちん汁はもう10年以上食べていない。子供の頃からずっと食べていたから味はもちろん「あの鍋で作ってたよな」ということまで覚えています。
一人暮らしを始めてから料理はしていたのですが、ちゃんこ鍋みたいなものは作っても、けんちん汁は作ったことがなかった。初めてレシピを聞いたので今度作ってみようと思います。今回、母親に取材のことを話すと、「困ったなあ。言えることは何もねえなあ」と言ってました。そんなに派手な料理じゃないからと。