停電復旧までの「目安2日間」を切り抜ける方法 今時の盲点はノートPC用のバッテリー
台風8号の影響か、茨城や千葉、静岡の約1万戸で停電が発生した。東北から北海道にかけては、台風とは別に前線や低気圧による記録的な豪雨に見舞われ、青森では約1万2000戸が停電に。山形、福島では、通信設備の故障や停電で、携帯大手3社の通信障害も発生している。豪雨に伴う停電は毎年どこでも起きているから、他人事ではない。そのとき、どうするか。暑い時季の停電の対応について、災害危機管理アドバイザーの和田隆昌氏に聞いた。
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今の生活は、仕事で使うスマホやパソコンはもちろん、日常生活に欠かせない蛍光灯や冷蔵庫、洗濯機、テレビ、電子レンジなど、あらゆるものが電気でまかなわれている。ATMで現金を下ろすこともできず、停電で通信障害が生じると、キャッシュレス決済もできない。停電になると、暗闇の恐怖だけでなく、生活そのものへの不安が募る。長期化すればなおさらだ。
では、台風被害による停電は、どれくらいで復旧するのか。
最近で最も長期化したのは2019年9月の台風15号で、最大約93万戸が停電し、99%の復旧に約12日を要した。18年9月に近畿地方を襲った台風21号では最大約240万戸が停電したが、約5日で99%が復旧している。違いは、どこにあるのか。
「台風15号は記録的な暴風で倒木や飛来物が多発したため、電柱の破損や倒壊、さらには断線が相次いだのです。倒木によって復旧チームが足止めされたことも被害の長期化につながりました。15号の電柱倒壊は1996本に対し、21号はその3分の2の1343本。つまり、配電設備の損傷の大きさが、停電の期間を左右。損傷が大きいほど長期化し、少なければ早期に復旧しやすいのです」
経産省は台風15号の被害の大きさから、翌10月の19号と比較した調査をまとめている。それによると、19号で復旧見通しの公表にかかった時間は1日以内が多いことが分かる。
「19号の停電被害は最大約52万戸で、99%の復旧まで約4日。エリアごとに復旧の時間差はあっても、被害が少ないエリアではおおむね2日が復旧のメドになると考えていいでしょう。都市部はその傾向が強い。停電対策は、いかに発生から2日を乗り切るかが、カギになります」