【水キムチ】米のとぎ汁でつくる「飲む美容液」二日酔いの朝に!
本場の韓国では“飲む美容液”と言われるほど栄養価が高い水キムチ。野菜を発酵させた浅漬けの漬物で、乳白色のスープには植物性の乳酸菌がたっぷりと含まれる。ほんのりと酸味が効いた漬け汁ごといただくのが基本で、食欲が減退する夏場には特にうってつけ。「二日酔いの朝にはコレが一番!」という人も多いんだとか。
キムチと言っても、レシピは簡単だ。冷蔵庫に余っている野菜や果物を切り、漬け汁をかけて放っておくだけ。その漬け汁にポイントがある。使うのはなんと「米のとぎ汁」。野菜や果物にもともといる常在乳酸菌が、米のとぎ汁を餌にして増え、発酵を促すというカラクリである。
東京・木場の人気韓国料理店「オウリム」のオモニ(お母さん)に聞くと、「漬ける野菜はなんでもいい。でも、タマネギとリンゴは絶対です」とのこと。続けて、「私はサイダーを少し入れます。これ、隠し味。秘密ですよ」といたずらっぽく笑って教えてくれた。
オモニのアドバイスに従って、つくってみた。買ったのは、リンゴとサイダーだけ。冷蔵庫の野菜室にあった大根、キュウリ、タマネギ、ニンニク、小松菜を使った。
とぎ汁に漬け、室温でほったらかすこと半日。見ると、切った野菜に小さな気泡がついている。発酵している証拠だ。
味見をしてみる。漬け汁をスプーンですくって……、ん!? まだ塩味が強く、酸味が足りない。ラップをし直し、もう半日、様子を見た。
2度目の味見。呼吸をしているかのように、プクッ、プクッと小さな泡が湧くように出てきている。お! 塩気のカドが取れ、程よく酸味が効いている。米のとぎ汁のコクに、リンゴと隠し味に使ったサイダーのほのかな甘みもいい感じだ。育てた、という実感がある。冷蔵庫に移し、さらに半日後に食卓に並べたら、箸休めにも酒のツマミにも最高じゃないか。
「水キムチの漬け汁は冷麺のスープのもとにもなります。茹でたそうめんを水で締め、漬け汁をかけたらごま油と醤油をひと回し。おいしいよ!」
とは、木場のオモニ。醤油の代わりに魚醤のナンプラーをかけ回してみたら、これまた絶品だった。
(日刊ゲンダイ編集部)
【材料】
・大根…5センチ
・キュウリ…1本
・タマネギ…2分の1個
・リンゴ…2分の1個
・小松菜…3分の1把
・ニンニク…1片
・米のとぎ汁…600㏄
・サイダー…大さじ3
・鷹の爪の輪切り…ひとつまみ
・塩(野菜の重量の2%)
【作り方】
(1)野菜をそれぞれ2~3ミリの厚さの輪切りや半月切りにする。
(2)①と鷹の爪をボウルに入れ、塩をふりかけざっくりと混ぜ合わせておく。
(3)米のとぎ汁を鍋に入れ、ひと煮立ちさせたら冷ましておく。とぎ汁は汚れや小さなゴミが入るのを防ぐため、最初にといだものは捨て、2回目以降のとぎ汁を使う。
(4)③を②に注ぎ、サイダーを加えてラップをしたら室温で置いておく。目安は夏なら1日、冬なら1日半。
(5)漬け汁から小さな泡が出てきたら発酵が進んでいる証拠。味見をし、好みの酸っぱさになったら冷蔵庫に移し、10日間ほどで食べ切る。