砂金堀りの奥深さ「実際に金を採ったほうが面白い」年20回以上は採掘に
伊藤亮太さん(40歳)本業=ファイナンシャルプランナー/副業=砂金採り
先日発売された「株取引の要点 買いのタイミングはココだ」(技術評論社)の著者、伊藤亮太さんは資産運用をはじめ、保険や社会保障に詳しいファイナンシャルプランナー(FP)だ。そんな伊藤さんは砂金採りにハマっている。きっかけは何か。
「大学卒業後は証券会社に入社。自分で考えて行動することが好きなこともあり、27歳で会社を辞めて、FPとして独立しました。砂金にハマったのは、独立してから5年後の32歳の時です。当時はアベノミクスなどもあり、株価は高く円安の状態。2012年くらいに1ドル=80円台だった円は、15年には120円台にまでに急上昇。この急激な円安は金価格にも影響して、12年に1グラム当たり4000円程度だった金価格は、15年には5000円近くまで上昇しました。金は世界市場ではドル建て取引ですが、国内だと円に替えてからの取引となるため、為替が金価格変動に大きく関係します。この時、本業の資産運用で、金をポートフォリオに入れていく戦略をとっていました。そうしたらこれはもう実際に金を採ったほうが面白いという考えにたどりついたんです」
伊藤さんは早速、金の博物館で有名な、山梨県南巨摩郡身延町にある「甲斐黄金村・湯之奥金山博物館」を訪れ、砂金採り体験に参加した。
「砂金を採るには、専用の器(パンニング皿)ですくい、ゆすって選別する『比重選鉱』というやり方をします。これはシンプルな方法ですけど、けっこうコツがありまして、初めてやった時、私は2、3粒しか採れませんでしたが、名人と言われる人は同じ場所で50粒くらい採取してしまう。そこで、砂金採りの奥深さと楽しさに、さらに目覚めました」
伊藤さんは「カッチャ」「ドレッジ」「パンニング皿」など、砂金に必要な道具を揃え、主に週末に砂金採りの旅に出ることになる。伊藤さんオススメの砂金グッズのショップは愛知県にある「あおい商店」。
「春、夏、秋で年間20回以上は採掘に行きますね。採掘を初めてから7年間で、北海道から九州まで回っています。関東近県は日帰りですが、それ以外は温泉地に宿泊することにしていて、観光も楽しみながら採掘します。温泉とセットっていうのが、モチベーションにもいいんですよ(笑)」