「ビズリーチ」社長は40歳で…ゴルフプレー中の突然死が多いこれだけの理由
転職サイトの運営などを手がける「ビズリーチ」の多田洋祐社長が、急性心不全で亡くなった。享年40。今月2日、千葉県内で友人とゴルフのプレー中に突然倒れ、そのまま帰らぬ人となったという。生まれつき心臓に持病があったとも報じられたが、「ゴルフと突然死」については多くの論文などで報告されている。
日本で534例のスポーツ中の突然死をまとめた東京都監察医務院のデータ(2002)によると、最も多かったのはランニングの118件だが、水泳(66件)、野球(42件)、ゴルフ(40件)と続いている。とくに55歳以上ではゴルフ、ダンス、ゲートボールで多く、運動強度とは無関係に発生しているという。
また、元聖マリアンナ医科大学の吉原紳助教授推計では、ゴルフプレー中における年間の死亡者数は200人前後。うち8割以上は心筋梗塞などの循環器系の疾患によるものだ。
それにしても、マイペースにできて、心拍数を乱すほど運動強度の強くないゴルフで、プレー中の突然死が多いのはなぜなのか。
こうした原因について、東京大学医学部保健管理教室の川久保清氏の論文「ゴルフと心筋梗塞」では、〈ティーショットやパット時には予 想以上の心拍数、血圧上昇があるものと思われる〉〈朝早く睡眠不足の状態で参加し、プレーそのものにも緊張感が多いことなど、心筋梗塞のトリガーとなる要因が多いことも推測される〉と分析している。