【セロリとニンニクの酢の物】ヘルシー酢の物がニンニク風味に変身!
レシピ提供者 藤村千鶴子さん(4)
田子産ニンニクの魅力は“生”のほかに、もうひとつある。じっくりと時間をかけ、熟成させて作る「黒ニンニク」だ。健康成分が高いとされ、「臭いが少ないので料理のバリエーションが広がることもあり、世界45カ国に輸出されています」(田子町役場担当者)というから驚きだ。
本連載に登場する元弘前大学医学部教授の佐々木甚一氏は、黒ニンニク研究の第一人者。その佐々木氏がこう言う。
「私はがんに効く成分を長年研究してきました。その中で、2006年、ニンニクに含まれるS-アリルシステインというイオウを含んだアミノ酸に出合ったんです。この成分は生のニンニクにはほとんど入ってないが、熟成した黒ニンニクにするともの凄く増える。しかも、それをネズミのがんに注射したところ、6~7割が治った。生から作った粉末ニンニクでは治らない……。つまり、成分が違うということ。その正体が、私たちが最初に確認したS-アリルシステインだったんです」
佐々木氏らの研究発表がキッカケとなり、黒ニンニクブームに火が付いた。さらにその後の研究で黒ニンニクには、「コレステロールを下げる働きがある」「肝機能マーカーが改善する」「老化防止作用がある」ことなどが次々に分かっている。最新の研究では「心臓病の予防になる」とされ、再び注目を集めている。黒ニンニクの健康効果は60歳前後のオジサン世代にとって気になることだらけ。目が離せない存在と言っていい。
参考までに、黒ニンニクはいまや青森県のみならず都心でも売っている。中にはくず物ニンニクを集めて電気釜で作った安い商品もあるようだが、購入の際は黒くなっているものを選ぶこと。茶色っぽいものは熟成が足りないそうだ。
さて、今回のレシピは、酢の物にしてニンニク風味いっぱい。簡単に作れるので箸休めにオススメだが、ジメジメした暑さが続くこの時季、食欲増進の意味でも食卓にのせたい一品だ。
「冷蔵庫で数時間冷やすとサッパリ感が増しておいしい。また忙しいときは、三倍酢の代わりに、すし酢を使うと簡単にできますよ」(藤村千鶴子さん)
セロリは独特の香りとシャキシャキ感が特徴で、カリウムや食物繊維を多く含む。まさにオジサン世代にピッタリのレシピではないか。
※「ひと口メモ」は今回はお休みします。