ロシア革命(中)ソ連建国の父・レーニン 「流刑地の愛」から権力奪取まで
今回はポスター(図①)の読み解きに挑戦してもらいましょう。一体、何が描かれているのでしょうか?
■ハイブリッドな血筋
ソ連建国の父レーニン(写真②)は、1870年にロシア西部を流れるヴォルガ川中流のシムビルスクという町に生まれます。父方の祖父母は遊牧の民であるカルムイク人、母方の祖父はウクライナ生まれのユダヤ人、祖母はドイツ人とスウェーデン人のハーフというハイブリッドな血筋でした。
革命運動に傾倒した4歳年上の実兄が皇帝暗殺未遂事件に関与して処刑されますが、レーニンは大学に進み、弁護士資格を取る傍ら、マルクス主義を受け入れてゆきました。
ちなみにレーニンの本名はウラジミール=イリイーチ=ウリヤーノフと言います。ロシア=マルクス主義の父と言われる社会主義者のプレハーノフがヴォルガ川由来の「ヴォルギン」というペンネームを使っていたことに感化され、シベリアのレナ川に由来するレーニンと名乗ったのが始まりでした。
1895年、レーニンは革命運動を理由に逮捕され投獄の後、97年に東シベリアへ流刑されます。この時、同じく流刑されていた夜間学校教師のクルプスカヤと結婚。刑期終了後の1900年、スイスへ亡命しました。