「正ちゃん」(浅草)「コロナ禍でも昼開けているとお客さんが来てくれる」

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 まだ明るい平日の夕方5時。昼から賑わう飲み屋が並ぶ、ホッピー通りに出かけてみた。暖簾をくぐると5席ほどのカウンター席と4卓のテーブル席はすでにギュウギュウ。店の外にも席があり、若い20代前半の若者の姿が。

 創業は1951年だから今年で丸71年。浅草の中でも老舗中の老舗の居酒屋だ。

 2代目の店主の高島文雄さんは、以前勤めていた出版社を辞めて家業の「正ちゃん」を継いで、今年で50年目になる。この間、妻の政子さんと息子の家族、総出で店を切り盛りしてきた。71年間の歩みは決して平たんではなかった。浅草の再開発に伴って立ち退くことになり、転居すること2度、この2年はコロナ禍で時間を短縮して営業、さまざまな困難を乗り越えてきた。

 やはりコロナ禍は大変だったと文雄さんは話す。客足は減り、時短営業によって店を開ける時間が減った。しかし、そんな時に普段からやっていた昼の営業が生きた。

「夜は時短営業しないといけないけど、ここら辺は昼開けてても、お客さん来てくれるから。コロナで大変な時でも、お酒飲んで元気になってくれたらと思ってやってきました」

浅草のお祭りがある時は50キロの肉を1日で使っちゃう!

 名物は1皿500円の牛煮込み。平日は10~20キロ、浅草のお祭りがある時は50キロの肉を1日で使用する。大きな豆腐が入っていて、味が染みて絶品だ。肉の下茹でに3時間を費やす。それに調味料を加えて3時間煮込み、やっと完成する。

「俺は牛煮込みの担当! 他に料理ができないからね」

 そう言って大鍋から煮込みを盛り付ける文雄さんの笑顔が店を明るくしている。手羽先煮や肉じゃがも牛煮込みと肩を並べる名物だが、こちらは政子さんの担当だ。煮込み場に立つ店主を撮影しようとしたら、お客から「もっと笑いなよー!」と声が飛んだ。

常連さんから店主にジャムの差し入れ

 取材を終えて帰ろうとしたら、常連さんが店主に手作りのジャムを差し入れていた。まだコロナ禍は続きそうだが、「正ちゃん」はさまざまな人に支えられて苦境を乗り越えていきそうだ。

(住)東京都台東区浅草2-7-13
(℡)03・3841・3673
(営)正午~午後9時(月曜・火曜定休)
 牛煮込み500円、手羽先煮500円、生ビール550円

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