【砂肝のコンフィと銀皮の赤ワイン煮】250グラム200円と安い! コリコリ感を生かして
我が家の大人たちは全員晩酌をするので、娘は小さい頃からいわゆる「酒のアテ」的なおかずを好んで食べるようになってしまった。なかでもお気に入りは砂肝だ。
砂肝は1パック250グラム、200円前後と安いうえ、和にも洋にも調理でき大変便利だ。よく作るのはコンフィ。コンフィとは油で食材を煮るフランスの調理方法のひとつだ。似たような調理方法にアヒージョがあるが、こちらはスペインの調理方法で高温でグツグツ煮る。一方、コンフィはグツグツさせないのがポイントで、油を沸き立たせないように低温でじっくり2時間ほど煮る。いつだか、時短でやってやろうと思い圧力鍋を使ったことがあった。15分程度で完成し、いつもよりとても軟らかく仕上がったので得意げに食卓に出した。すると、娘が「違うな」と一言。彼女いわく砂肝の最大の良さはコリコリ、サクサクとしたあの独特の食感にあるのに、それがまったく失われており、こんなのは砂肝じゃない、とのことだった。
なるほど確かにだ。いつの間にか私は「軟らかい」=「おいしい」と思ってしまっていた。「とろけるよう」「噛まなくていい」という食リポを散々テレビで聞いているせいだろうか。だが、食材にはそれぞれ個性があり、砂肝の個性は噛みごたえのある食感こそだ、と娘の主張を聞いていて考えを改めた。というわけで、私は低い温度を一定に保てるオーブンを使っている。100度に設定し、2時間放っておけばいいのでさほど手間もかからない。コンフィとはもともと保存するという意味で、油につけたままにして保存瓶に入れれば2週間はもつので、時間があるときに作っておくのがおすすめだ。(鶴岡思帆)
【材料】
・砂肝…約500グラム
・ニンニク…3~4片
・ローリエ…2枚(ローズマリーやタイムなどでも可)
・タマネギ…1個
・マッシュルーム…4個くらい
・水…適量
・オリーブオイル…たくさん
・赤ワイン…150~200 ミリリットル
・コンソメキューブ…1個
・塩…小さじ半分
・トウガラシ…1本
【作り方】
(1)砂肝を半分にする。両サイドに白い部分(銀皮)があり、食感が硬くなるのでそぎ落とし、赤身と銀皮とに分ける。砂肝の赤身の3分の1の量はスライスしておく。赤身はスライスした分を含めて塩をまぶして水分が出たらキッチンペーパーで拭き取っておく。
(2)タマネギとマッシュルームはスライスし、ニンニクは包丁で潰す。
【コンフィ】
スライス以外の赤身とニンニク1~2片、ローリエ、トウガラシを耐熱容器に入れ、材料がしっかり浸るようにオリーブオイルを注ぎ、100度のオーブンで2時間加熱。冷まして消毒した清潔な保存瓶に入れ冷蔵保存すれば2週間はもつ。
【銀皮の赤ワイン煮】
タマネギとニンニク1~2片を油で炒め、茶色く色づいてきたら銀皮とスライスした赤身、マッシュルームを入れ軽く炒める。ヒタヒタよりやや少なめの水とワインを入れて沸かし、アクをとる。コンソメキューブとローリエを入れ、弱火で汁気がなくなるまで煮る。皿に盛り好みで粒コショウをふる。
*赤身を入れずに銀皮だけでも可。