阿武町誤送金の7割「3500万円返還」で浮上した新たな謎…決済代行業者にも疑惑の目が
弁護士が「資産は現状ない」と言っていた説明は何だったのか。 不正使用されたとされる公金の約7割が回収されたとはいえ、新たな疑問が出てくる。
山口県阿武町が誤送金した新型コロナウイルス対策関連の給付金4630万円を使ったとして、無職の田口翔容疑者(24)が電子計算機使用詐欺容疑で逮捕された事件で、誤送金されたカネのうち、3500万円余りが町に返還されていた問題のことだ。
山口県警の調べなどで、田口容疑者は自分の口座に誤入金された4630万円を「オンラインカジノで使った」と供述。そのオンラインカジノで利用したという決済代行業者3社のうちの1社が20日、町の口座に3500万円余りを返還していたとして驚きと安堵の声が広がっているのだが、この状況はどこか不可解だ。
町は田口容疑者がカネを動かした時点で口座を差し押さえていたわけではない。
ならば、業者は返還するのであれば、まずは田口容疑者の口座に入金し、それから町がそのカネを回収する─ーという流れになるだろう。にもかかわらず、業者はなぜいきなり、町に返還したのか。ネット上でも<何だか業者も怪しいな><業者は報道で大騒ぎしているのを見て、面倒なことになったと思って慌てて返還した><ネットカジノという灰色の世界で、捜査の目が自分たちに向くのを嫌がった>など様々な見方が出ている。