TOKIOが土地購入「福島県西郷村」は人口増加エリアで低い高齢化率、新幹線も停まる凄い村
<僕らは地球の1ピースを手に入れた 2022年5月 福島県西白河郡西郷村TOKIO-BA 全てはここから始まります>
城島茂(51)、国分太一(47)、松岡昌宏(45)の3人グループTOKIOが今月5日、新プロジェクトをスタートさせた。国分が社長を務める新会社「TOKIO-BA」が栃木県と接する福島県の中通りにある西郷村(にしごうむら)の約8万平方メートルの土地を取得し、新たな活動の場とすることを発表。このプロジェクトは、アウトドア好きの国分の発案だという。
「ザ!鉄腕!DASH!!」(日本テレビ系)で、同県浪江町で農業などに取り込んでいたことで知られるTOKIOは、東日本大震災で打撃を受けた福島の復興を後押ししているだけに、県内でのこうした活動は必然だったと思われるが、東京ドームおよそ1.7個分の広大な土地の購入に地元は驚いているという。
西郷村は新幹線が停車する日本で唯一の村で、東京から村内にあるJR新白河駅へは東北新幹線で約90分、東北自動車道白河ICへも車で約2時間30分と、首都圏からのアクセスは悪くない。
そんな西郷村は、1990年に1万6194人だった人口が2022年には2万748人に増えているように、日本では珍しい人口増加エリアだ。新型コロナの影響でリモートワークを実施する企業が増えているため、首都圏からの移住者から好アクセスにより選ばれているのかと思いきや、そうではないという。
「特に独自の移住支援策を設けている訳ではありません」と村の広報担当者が話すように、ここ数年、村が把握している首都圏からの移住者は数組ほどだという。
「もともと隣の白河市のベッドタウンとして機能していますが、近年人口が増えているのは、東北新幹線の新白河駅や白河ICが設置されたことで半導体や製紙などの工場が進出している影響が大きいと思われます。18歳まで医療費助成があるなど、子育てがしやすい環境として認識されています」(西郷村広報担当者)
温泉もあって首都圏から近いが、移住者は多くない
大手企業の工場進出により生産年齢人口が増加しているため、高齢者の割合が県内で最も低い自治体だという。
西郷村の生活圏はだいたい標高400〜600メートルの高地に位置し、ジャガイモやレタスなどの高原野菜の栽培が盛ん。新白河駅のある東側の都市部、役場や新興住宅地からなる田園地帯の中部、日光国立公園の一部である那須山系三本槍岳(1917メートル)、旭岳(1835メートル)などの山々が連なる西側の山間部と、3つのエリアに分かれている。
村内には、白河藩藩主の松平定信が好んだとされる甲子温泉や新甲子温泉といった温泉地やゴルフ場、別荘地が点在しているため、もともと近郊から多くの旅行客が訪れる場所でもある。だが、今回、TOKIO-BAが設置されたことで全国的に知られる機会が増えるため、村では旅行客の増加だけでなく、大都市圏からの移住者の増加にも期待しているという。
今のところ、何が行われるか具体的に決まっていないという「TOKIO-BA」は現在、専用アプリを通じてアイデアなどを募集している最中だという。
地元不動産会社によると、「(TOKIO-BAの報道で)西郷村の不動産への問い合わせが増えているということはありません。西郷村はアクセスがいい上に平坦な土地が多く、下水道も広範囲に普及しているため、もともと近隣エリアの中では住宅用地が少なくなっている隣の白河市より家を建てる人が増えています。坪単価はだいたい7〜8万円で、100坪前後の敷地に家を建てる人が多い印象です」とのこと。
「TOKIO-BA」効果で、西郷村は移住先としても人気を集めそうだ。