勃起障害改善だけでは見落としがちな「精子の質」とは? DNA断片化検査が注目
今春から不妊治療が保険適用となり、今まで自費診療だったものが、3割負担となった。採卵など年齢制限、回数制限が設けられているものもあるが、子供を望む、多くのカップルにとっては朗報と言える。
今回の法改正により、日本生殖医学会ガイドラインで効果が認められている体外受精のほか、精巣から精子を採取する手術や、バイアグラなどの勃起障害の治療薬など男性不妊も保険適用の対象となった。
不妊治療専門クリニックのオーク銀座レディースクリニックで主に男性不妊の治療に当たっている山崎一恭医師によると、男性不妊は大きく3つに分かれるという。
「まず1つ目が、精子の数や運動率など精子そのものに問題がある場合、2つ目が、射精障害、勃起障害などの性機能障害、そして、精子そのものや性機能には問題がないのに、精子の通り道が閉塞して無精子症になる精路閉塞という3つです」
性機能障害の場合、射精障害の原因となるマスターベーションの是正や勃起障害への投薬、人工授精などの治療を提案し、また、無精子症の場合は、TESE(精巣内精子採取術)をはじめとした高度治療によって、精子を精液中から採取する手術が行われる。