(28)入管は学校側の違反に鈍感 相談してきた留学生を「容疑者」のように問いただす
在籍する仙台市の日本語学校から、就労ビザに変更するなら「賠償金」300万円を請求すると告げられ、ベトナム人のディエプさん(36)は最寄りの仙台入管に助けを求めた。しかし面談した入管担当者は、「学校とあなたで解決してほしい問題」と突き放した。そして、彼女が学費を払えなくなった理由に関し、問いただし始める。もともと留学に十分な経済力がなかったのではないかと疑ってのことだ。
「(学費を払う)お金がないと言いました、どうして、お金がないの?」
ディエプさんには、来日時に80万円の貯金があった。うち30万円を日本へ持参し、50万円はベトナムに残していた。その50万円を2年目の学費に充てるつもりだったが、娘の世話を頼んでいた兄が失業し、状況が変わった、というのが彼女の説明だ。
そんな内容を担当者に必死で伝えようとしているが、日本語が拙く、「来日時にあった貯金が30万円」と勘違いされてしまったようだ。
「日本に来る前は、30万円しかなかった。間違いない?」