【ウドの皮のきんぴら】さわやかな香りとシャキシャキの食感
「ウド」と聞いて全体像を思い浮かべることができないのは当方だけか。漢字で書くと「独活」で、恥ずかしながらさらに縁遠い。料理屋で「ぬた」を注文して、ウドと魚介とネギなどの酢味噌和えが登場して、ようやく馴染み深くなる。
強烈なクセはないがシャキシャキとした食感とさわやかな風味がなんとも個性的で、考えてみたらウドの代わりになる食材の見当がつかない。
初夏の今ごろスーパーに並ぶ「白ウド」は、日光を完全に遮断して栽培される。全体が白く長いが、茎はかなりガッチリしていて、よく見ると産毛が生えている。ちなみに、産毛が密生しているものが良品なんだそう。見た目も手触りもごっついせいか、皮をむいて白い茎だけを食すものだとばかり思っていた。しかし穂先から茎、皮や根元まで丸ごと一本、捨てずに食べられるという。
酢味噌和え以外にレシピがピンとこないウドだが、捨てるところなしとくればレシピも充実する。和え物やサラダのほか、炒め物や煮物、味噌汁に入れてもよし。
旬の時季が終わり夏になると、ガンガンに成長して2~3メートルの高さにもなるというウド。大きくなってもやわらかいままの茎は木材に適さないうえ、もはや食べることもできないため役立たずの意味で「ウドの大木」というようになった。大木というがウドはもともと樹木ではなく山菜である。
産毛の生えた皮を厚めにむいてきんぴらにするのが今回の始末料理。ウドはやわらかいのでゴボウのきんぴらのようにしっかり炒める必要はない。白い茎は切った後、すぐに酢水に漬けないと変色が始まるので要注意。アク抜きの後は、お好みの酢味噌で和えれば小鉢一品になる。きんぴらと一緒に捨てるとこなしのウドを楽しんで。
(日刊ゲンダイ編集部)
【材料】(4枚分)
・ウドの皮…1本分
・ごま油…大さじ2
・麺つゆ…大さじ1
・すりごま…適量
【作り方】
(1)ウドの皮を厚めにむき(写真①)、長さ4、5センチに切る。
(2)フライパンにごま油を引き、①を入れてさっと炒める(写真②)。
(3)麺つゆを入れて混ぜあわせたら器に盛る。
(4)お好みの量のすりごまをかけて出来上がり。