技術少年出版 吉崎武社長(3)高校生の時にアマチュア無線を自作、親よりも稼いでいました
技術雑誌収集
小中学校時代に愛読した「ラジコン技術」で無線機の知識を身につけた吉崎さんは、高校生になるとアマチュア無線に凝るようになる。その頃愛読していたのが「CQ ham radio」だ。アマチュア無線に特化した月刊誌である。
「雑誌の記事を参考に、秋葉原へ行って部品を買い、短波受信機や送信機を一生懸命に作りはじめました」
最初の頃は海外の短波放送──ボイス・オブ・アメリカやラジオ・オーストラリア、バチカン放送、北京放送などを聞いて楽しんでいたが、しだいにより高度で多様な楽しみ方をするようになる。
「ちょうどアマチュア無線家が使える人工衛星が初めて打ち上げられた頃だったので、アンテナを空に向けて衛星通信の実験をやってみたり、ラジオテレタイプ(2台のテレタイプ端末を無線で接続した電気通信システム)で海外と文字の送受信をしたりなんてこともやってました。ラジオテレタイプって機械式のバカでかい鉄の塊で、無線をキャッチしてプリンターが動きはじめると音と振動がものすごいんです。ダダダダダッとまるで削岩機なみで、隣の家まで振動するほど。これはいけないというので、機械式のテレタイプをぜんぶ電子式に処理する回路を作ったりもしてましたね」