和僑HD社長 坂田敦宏さんの巻(4)

公開日: 更新日:

西新宿えい月(東京・西新宿)

 新宿と呼ばれるエリアでも、西新宿は新宿駅から離れるにつれて落ち着いた住宅街が広がる。歌舞伎町に代表される新宿とは、趣がずいぶん違う。そんな住宅街の一角で、「魚が安くてとてもおいしい」とプッシュするのが、「西新宿えい月」だ。

「JR新宿駅からだと、新宿中央公園を越えて熊野神社前の交差点から歩いて2、3分の住宅街にあります。住宅街だけあって、一戸建てをリノベーションした造りで、2階は個室中心。周りの目を気にせず、旬の魚介や野菜をいただけるのがいい。そんな雰囲気ですから、客層も落ち着いていて、友人の家にお邪魔したような感じで食事ができるのです。新宿では、とても重宝します」

 最寄り駅は都営大江戸線西新宿五丁目駅だが、その日は赤坂見附で取材があり、東京メトロ丸ノ内線で西新宿へ。青梅街道から成子坂下交差点を左折すると、タワーマンションがずらりと並び、再開発で様変わりした街並みに圧倒される。が、店に近づくと、一戸建てエリアになって、精肉店や床屋がいまも営業していて、近くには庚申堂の赤いちょうちんが。その街に溶け込むように、店の看板が白い明かりをともす。

 店には靴のまま上がって2階へ。すでにいた先客2組は、それぞれ別の部屋にいた。なるほど、個室状態がうれしい。メニューは、レギュラーメニューのほか、その日のオススメがA4判にズラリと並ぶ。

「刺し身は1切れから調理します」

 刺し身はカマス(鹿児島)、カンパチ(長崎)、イサキ(長崎)、アイナメ(北海道)、ホタテ(北海道)など7種類(各1380円)。焼き物・煮つけ(1500円~)には、キンキやオニカサゴ、メバルなどが一匹の丸であって、刺し身にも用いるカンパチ、アイナメ、ハタやマダイなどはカブトも用意。一匹の魚を丁寧な仕込みであますことなく料理していることが分かる。野菜には、若竹煮(880円)やタラの芽とこごめの天ぷら(720円)など春を感じさせる品々もあって悩ましい。

 A4判のオススメだけでこの状況だ。目移りして決まらない。迷っていると、「お刺し身の1380円は、いずれも5切れのお値段です。1切れから調理致しますよ」と女将さん。マジっすか。その心遣いに感謝。名前を挙げた5種類のほか若竹煮とタラの芽の天ぷらもお願いします。

 一番搾りプレミアム(720円)でのどを潤すと、ほどなく氷を盛りつけた器に刺し身が登場。皮目をあぶったカマスはウマミがたっぷり、アイナメは淡い白身で、味のコントラストも絶妙。満足満足。

 タケノコはいいあんばいの出汁に浸り、シャキシャキの食感で山の香りがあふれていく。タラの芽とこごめも、風味と歯ごたえに春を感じる。坂田さんが「とにかく落ち着く」を強調し、さらに「安心できる」とつけ加えていたことを思い出した。腕のいい板前さんの料理にホッとする。

「おいしい和食屋さんだと、やっぱり煮つけをいただきたいですね」

 一緒に訪れた同僚の一言にまったく同感だ。煮つけのコーナーから、高級魚のキンキ(1580円)をチョイスする。

 醤油であめ色に炊かれた一匹が豪華だ。やや小ぶりながら、2人でいただくにはちょうどいい。骨を外すと、ほっくりと身がほぐれるのは火の通りがいい証拠だ。魚のウマミに甘辛い醤油が絡まって、しみじみとウマい。

 1階には、カウンター席もあるそうだ。次はひとりでひょっこり訪れて大将と話しながらいただきたい。

(取材協力・キイストン)

■西新宿えい月
東京都新宿区西新宿5-10-19 
℡03・6276・6685

▽和僑グループ  日本橋茅場町不二楼、ヒノマル食堂、新潟ラーメンなおじなど国内外に約30店舗を展開。最近は「韓国屋台ペゴッパヨ」「焼肉うしやま」など新業態のプロデュースなども手掛け、活躍の場を広げている。

▽坂田敦宏(さかた・あつひろ) 1968年生まれ。和僑HD社長。21歳で清掃業での起業を皮切りにさまざまな業界を経験するが、2012年、脳出血で倒れ、半身不随に。2年間のリハビリを経て社会復帰。訪問看護事業を立ち上げると、投資家としても活動する。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のライフ記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    カジノで106億円溶かした大王製紙前会長・井川意高氏の現在地「今は“抜けた”ような状態」

    カジノで106億円溶かした大王製紙前会長・井川意高氏の現在地「今は“抜けた”ような状態」

  2. 2
    小林浩美JLPGA会長はファン置き去り…「地上波中継なき」国内女子ツアーの行く末

    小林浩美JLPGA会長はファン置き去り…「地上波中継なき」国内女子ツアーの行く末

  3. 3
    「ビューティ・ペア」で一世を風靡 マキ上田さん「フジ社屋の天球は“ビューティ資金”でつくられたと」

    「ビューティ・ペア」で一世を風靡 マキ上田さん「フジ社屋の天球は“ビューティ資金”でつくられたと」

  4. 4
    「消費税減税なら年金3割カット」自民・茂木幹事長の“高齢者ドーカツ発言”に批判殺到

    「消費税減税なら年金3割カット」自民・茂木幹事長の“高齢者ドーカツ発言”に批判殺到

  5. 5
    ダチョウ倶楽部の「純烈」加入にファンから「それなら友井雄亮さんを復帰させて!」と悲鳴

    ダチョウ倶楽部の「純烈」加入にファンから「それなら友井雄亮さんを復帰させて!」と悲鳴

  1. 6
    小室圭さん間もなく「3回目受験」 NY州資格を持つ日本人弁護士が“合格”を確信するワケ

    小室圭さん間もなく「3回目受験」 NY州資格を持つ日本人弁護士が“合格”を確信するワケ

  2. 7
    阪神絶好調でAクラス射程圏も…悔やまれる序盤大コケの陰にフロントの“矢野低評価”

    阪神絶好調でAクラス射程圏も…悔やまれる序盤大コケの陰にフロントの“矢野低評価”

  3. 8
    古江彩佳に問われる「プロ意識」…全米女子OP予選落ちで“塩対応”どころか取材拒否

    古江彩佳に問われる「プロ意識」…全米女子OP予選落ちで“塩対応”どころか取材拒否

  4. 9
    巨人球団史上最速の自力V消滅で野手と投手に内紛の火種…打線奮起も投手すべて台無しに

    巨人球団史上最速の自力V消滅で野手と投手に内紛の火種…打線奮起も投手すべて台無しに

  5. 10
    宮沢りえも登場…「大王製紙」前会長・井川意高氏のアイドル豪遊記

    宮沢りえも登場…「大王製紙」前会長・井川意高氏のアイドル豪遊記