(13)日本語学校が作成していた学生「強制帰国マニュアル」の中身
昨年10月、ベトナム人留学生のホアン君(21)が職員から鎖で拘束される事件のあった福岡市の日本語学校「西日本国際教育学院」。この学校を運営する学校法人「宮田学園」の元職員から、私はA4用紙で4ページに及ぶ文書(写真)を入手した。
文書のタイトルは<重大規則違反で強制帰国となる学生への対応に関して>。素行不良の留学生を母国へ帰国させる手順が記されたマニュアルだ。元職員が言う。
■帰国当日に処分を言い渡し飛行機に乗せてしまう
「作成したのは2015年。上司の指示で私自身が作った“強制帰国マニュアル”です。学生が逃げないよう、処分は帰国当日に言い渡して飛行機に乗せてしまう。職員は航空券の手配からアパートの荷物整理、空港への連行まで連携して動かなくてはなりません。だからマニュアルが必要だった。処分を受ける学生は年に3~4人はいた。最も多いのが、万引で警察に捕まった学生。授業に教科書を持ってこなかっただけで、強制帰国になったケースもありました」