参院広島買収事件 検察審査会は安倍晋三元首相を「不起訴」にしていた

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 2019年7月の参院広島選挙区の大規模買収事件で、元法相の河井克行氏と妻の案里氏から現金を受領したとして、広島地検は広島県議ら34人を起訴した(3月14日)。

 東京地検特捜部は21年7月、受領者100人全員を不起訴処分にしていた。しかし、市民団体の申立を受けていた東京第6検察審査会(検審)が今年1月、35人を「起訴相当」とする決議を公表。これを受けて東京地検は判断を翻したのだった。

 この大規模買収事件の金の出どころは、いまだ曖昧なまま。自民党本部は河井夫妻に選挙資金として1億5000万円を直接提供したが、買収資金の原資ではないととぼけている。同じ参院広島選挙区で6選を目指して落選した溝手顕正・元防災担当相への自民党からの支給額は、10分の1の1500万円。当選した河井案里は過去に安倍氏を批判をしていた溝手への刺客として送り込まれ、河井夫妻は地元で買収工作をしていた。

 とすれば、“疑惑の本丸”は当時の党総裁(安倍晋三)と党幹事長(二階俊博)になる。しかし、東京地検は21年12月28日、広島買収事件に関する安倍元首相の公職選挙法違反について不起訴処分としている。理由は<嫌疑なし>だ。

 安倍氏を刑事告発していた香川県在住の川上道大氏は、東京地検の処分に対し不服を申し立て、東京第3検審が今年2月7日にこれを受理。だが、県議ら34人が起訴された翌々日(3月16日)、第3検審もまた安倍元首相について「本件不起訴処分は相当」と議決していたことが、このたびわかった。

検審の議決理由は…

 川上氏に届いた「議決通知書」によると、第3検審は議決理由について次のように説明している。

<本件は、令和元年7月21日施行の第25回参議院議員通常選挙に際し、被疑者において、既に公職選挙法違反の罪で判決宣告を受け、刑の確定している河井克行及び案里と同犯罪を共謀したとして、審査申立人が告発した事案の不起訴裁定処分に対する審査申立である。

 本件不起訴処記録及び審査申立書を十分精査し、慎重に審査した結果、検察官がした不起訴処分の裁定を覆すに足りる証拠がないので、上記趣旨のとおり議決する>

 検審も不起訴処分と認めたわけだが、それでも川上氏の鼻息は荒い。

「広島県議らの刑事裁判が始まれば、私の安倍氏への刑事告発は無駄ではなかったとなるはずです。そもそも買収事件の発端は、溝手氏と安倍氏の対立です。安倍のせいで広島がぐちゃぐちゃになったと怒っている自民関係者もいます。安倍氏がいなければこんな事件は起きなかったんですから。河井夫妻は安倍氏に対して裁判でも何も言えなかったでしょうが、地元は違います。日本を変えるには広島からです」

 安倍氏は「桜を見る会」懇親会の公選法違反疑惑のようには逃げられないかもしれない。

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