バランス感覚を強化する(2)「レッグスイング」は振り子のイメージで
レッグスイング
筋トレは、正しいフォームで行わなければ狙った筋肉を鍛えられない。「バランス感覚の強化」をテーマに、スポーツジム「PLAYGROUND」銀座店のエグゼクティブトレーナー、KENICHIさんにメニューの指導をお願いすることにした。今回、教えてもらうのはレッグスイングだ。
「レッグスイングは、スポーツ選手がウォーミングアップ時によく行っているので、見たことがある人も多いのではないでしょうか。自分の体幹がどうなっているかを意識しながら、体の前と後ろのバランス感覚を整えることができるメニューです。イメージは“蹴る”ではなく、“振り子”。脚を思いっきり振り上げることがポイントです」(KENICHIさん=以下同)
レッグスイングの正しいやり方はこうだ。
まず、壁と並行に立ち、壁側にある方の手を壁に添える。このとき、お腹に力を入れて硬くしておく。添えた手と反対側にある脚を、前後に大きく振り上げる。前、後ろ、共に同じ位置まで大きく振り上げるように意識する。膝が伸びきらずに多少曲がっているのは気にしなくてもいい。10回振り上げたら、向きを変えて、反対側の脚も同じように前後に振り上げる。
間違いやすいポイントはこうだ。
【体幹が定まっていない】
「前後に振り上げる際に、体幹が弱いと上体も一緒に持っていかれてしまいます。レッグスイングでは上体をグラグラさせるのではなく、体幹を固め、筋肉を伸ばしながら動かすことで、体と頭の神経がつながる。その結果、可動域が広がり、動きやすい体になっていきます」
【頭と肩が動く】
「足を動かす際に、頭も一緒に前後に振る人もいます。これはNG。首はまっすぐに保ち、肩はすくめず、首と遠く離すことを意識してください。最初は鏡を見ながらチェックするのがいいですよ」
記者もやってみた。最初にKENICHIさんのお手本を見たとき感じたのは「ダイナミックな動きだ!」というもの。記者もそれを倣い、できる限りダイナミックなに動いたつもりが、鏡を見ると前後ともまったく振り上げられてないことに愕然とした。自分が思っているよりももっともっと大きく振る、がコツかもしれない。
さらに、上記の間違いポイントにあるように、記者の上体も脚につられて前に後ろに同時に動いていた。KENICHIさんに「壁に添えてない方の手を、股関節あたりに軽く置いてみてください」のアドバイスをもらったので、実践してみた。そうすると、このトレーニングで動く部分は股関節であり上体ではない、という意識ができるように。結果、上体の揺れはかなりマシになった。ほんの少しのコツと自分の意識で、動きが変わる。改めて筋トレとは面白いものだなと実感した。