原発への武力攻撃で「急性死1.8万人」の衝撃試算! 3.11から11年、日本は再稼働へ前のめり

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 凄惨な福島原発事故から11年が過ぎたが、脱原発は進まない。それどころか「原発回帰論」が勢いづいている。ウクライナ情勢の悪化に伴い、天然ガスや原油の供給不安、価格高騰が長期化する懸念が広がり、与野党から「原発再稼働」を求める声が高まっているのだ。ウクライナではロシア軍が原発関連施設への攻撃を繰り返し、世界を震撼させている。目を向けるべきは原発保有のリスクの方だ。

 ◇  ◇  ◇

 自民党の「電力安定供給推進議連」は10日、停止中の原発の速やかな再稼働を求める決議を採択。日本維新の会国民民主党も再稼働を訴えている。萩生田経産相も11日、「国も前面に立ち、粘り強く取り組む」と前のめり。

 財界寄りの連中はここぞとばかりに、動きを強めているが、原発を保有するリスクとその恐ろしさに直面しているのがウクライナだ。

 ロシア軍は侵攻直後の2月24日にチェルノブイリ原発を制圧。今月4日には欧州最大級のザポロジエ原発を攻撃し占拠した。さらに、南ウクライナ原発を狙い、近くまで進軍しているという。

 9日にはチェルノブイリ原発で停電が発生。非常用電源で使用済み核燃料を冷却するギリギリの対応を強いられた。この先、ロシア軍のさらなる攻撃や人為的なエラーなどが起これば、いつ原発が暴発してもおかしくない状況だ。

核兵器とはケタ違いのダメージ

 原発が武力攻撃された場合の被害については日本政府も無関心ではなかった。

 外務省から委託された日本国際問題研究所が1984年2月に「原子炉施設に対する攻撃の影響に関する一考察」と題した報告書をまとめている。報告書にはこうある。〈主要電源施設を攻撃し破壊することは、その国の総合戦力を低下せしめる観点から十分予想される〉

〈単に発電能力阻止が目的ではなく、炉内の大量の放射性物質の放散による効果を狙ったもの〉

 被害の試算は衝撃的だ。原発への軍事攻撃により、シナリオⅠ「補助電源喪失」、Ⅱ「格納容器破壊」、Ⅲ「原子炉の直接破壊」を想定。最も大きな被害が生じるのはⅢだが、分析が困難なため、Ⅱの場合の被害を推定している。緊急避難しなければ、被曝後2カ月以内の急性死亡は最大1万8000人、急性障害は最大4万1000人に上る。農作物などの土地利用や居住が長期間禁止されるのは最大54マイル(約87キロ)に及ぶ。

 元原子力プラント設計技術者の後藤政志氏(工学博士)はこう言う。

「核兵器による攻撃よりも、相手国の原発に対して通常兵器で攻撃する方が、ケタ違いのダメージを与えられます。恐ろしいことに、ロシア軍はそれを実践しているのです。また、原発事故と武力攻撃は質が違います。事故の場合は、内部からジワジワと壊れていきますが、武力攻撃では格納容器や原子炉をピンポイントで狙える。いきなり、放射性物質が拡散する危険があるのです」

 報告書でも〈軍事攻撃の場合には攻撃する側に知識があれば、相当の確からしさで苛酷な事態を引き起こしうる〉と警鐘を鳴らしている。

 脱原発は自明の理だ。

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