バランス感覚を強化する①片足立ちで4方向を意識して両手を回す
筋トレは、正しいフォームで行わなければ狙った筋肉を鍛えられない。今回から4回連続で「バランス感覚の強化」をテーマに、スポーツジム「PLAYGROUND」銀座店のエグゼクティブトレーナー、KENICHIさんにメニューの指導をお願いすることにした。今回、教えてもらうのはワンレッグ・ホールド&シャッフルハンズアップだ。
「バランス感覚は、日常生活を送る上でとても大切なもの。バランス感覚が悪いと、ちょっとしたことでひっかかったり転んだりしやすくなります。また、咄嗟のときに踏ん張れなくなり、ちょっと転んだだけでも思いがけない大きな怪我をしてしまうことも。バランス感覚が良くなると、姿勢改善にも繋がりますし、いいことしかないですよ」(KENICHIさん=以下同)
ワンレッグ・ホールド&シャッフルハンズアップの正しいやり方はこうだ。
まず、床の上で足を腰幅程度に開いて立つ。一方の足を、もう一方のふくらはぎ辺りに当てて片足立ちをする。この姿勢のまま、両腕をバンザイ→水平→下す→前へならえ。腕の動きは一つ一つ止める。次は、前へならえ→下す→水平→バンザイと逆回しをする。これを5回繰り返したら、今度は足を入れ替えて同様にする。
間違いやすいポイントはこうだ。
【手を止めずに、流れで動かしている】
「手の動きをひとつひとつ止めることなく、流れるように早い動きでやってしまう人がいます。実は、そのほうが動きとしてはバランスを崩さずに簡単にやれてしまうんです。でも、今回の目的はあくまでバランスの強化。ひとつひとつ止まることで、自分がきちんとバランスを取れているかどうかを確認できます。必ずゆっくりと、腕の動作ごとに止めて行うようにしてください」
【足指が縮こまっている】
「足の裏は、バランス感覚を強化させるために非常に重要な部位。このメニューでも足指を含んだ足裏全体で、グラつかないように踏ん張ることが大切です。力を入れるあまりに、足指が曲がったり縮こまらないように気を付けましょう。自宅でやるなら、裸足でやると確認しやすいです」
軸足の足指は常に伸びているのが正解。トレーニング中に足指がピクピクと小さく動いているのは、きちんと踏ん張れている証拠だ。
記者は週2回ほど、初心者に向けた、ゆるーい強度のジムに通っている。そこで改めて感じているのが「バランス感覚の悪さ」だ。プログラムに太極拳をアレンジしたものがあり、片脚立ちなどが多く出てくるのだが、毎度グラついてしまう。周囲の人の美しい片脚立ちの姿を見て、おのれのバランス感覚の悪さを痛感する日々だ。
今回のメニューの「ワンレッグ・ホールド」の部分、つまり片脚立ちだけならグラつかずかなりの秒数キープできる。だが、手の動作をプラスした瞬間に体がふらふらと揺れ、足をついてしまうことも。くじけそうになるが、KENICHIさんの「バランス感覚は、いくつになってもトレーニングすれば必ず強化されます」の言葉を胸に、時間を見つけてやってみたいと思う。