バイデン大統領の本音が表れた演説での「Go get him!」 関西弁なら「いてまえ」
「ロンドンが従順で卑屈な奴隷になり下がってしまうくらいなら、いっそ廃虚に化して灰じんに帰してしまったほうがましだ」。これはBattle of Britainが始まった時のチャーチル英首相の演説だ。徹底抗戦を呼びかけるウクライナのゼレンスキー大統領を批判する声が出ていると耳にして思い出した。
小論はそうした議論には加わらずに、引き続きバイデン米大統領の発言を注視していく。それは、チャーチルの英国を救ったのが米国の参戦だったように、ウクライナの命運を握っているのも米国だからだ。
今回は3月2日(日本時間)に行われた一般教書演説に注目する。この一般教書演説は日本の首相の所信表明演説に近いが、重みが違う。議院内閣制でないアメリカでは大統領は議会での答弁を求められないためで、年に1度、大統領が議会に対して政策を説明する場だ。そこには議員のみならず、閣僚、軍制服組のトップの他、最高裁判事も列席する。つまり三権の代表が集う場での政策表明だ。
この場に駐米ウクライナ大使が招かれたことや、ウクライナ情勢について発言があったことは既に報じられている。ここではそれ以外の点について書いておきたい。