公選法違反で有罪の河井案里・元参院議員が「さようなら」の前にやるべきこと
若者らに絶大の人気を誇った音楽グループ「AAA」(活動休止中)の楽曲「さよならの前に」ではないが、少しでも政治の世界に身を置いた者であるなら、もっと別の方法でけじめを付けた方がいいのではないか。20日夜に約20錠の睡眠薬を服用し、救急搬送されていたことが分かった元参院議員の河井案里氏(48)のことだ。
2019年の参院広島選挙区をめぐる大規模買収事件で有罪(公選法違反)が確定し、当選無効となった河井氏。警視庁によると、河井氏の親族から「『さようなら』と連絡があった」との110番があり、署員が東京・渋谷区内の自宅マンションに駆けつけたところ、自室で意識がもうろうとしていた河井氏を見つけたという。
命に別状はないというから、まずはひと安心というべきだろう。だが、「さようなら」と周囲に自死をほのめかすほどの「覚悟」を持ったのであれば、睡眠薬を服用する前に「政治家」としてやるべきことがあるのではないか。
そう、公選法違反の買収資金に使われたとされる自民党本部からの1億5000万円について、いつ、誰が、何の目的で支出したのか。当時の自民党総裁(安倍晋三元首相)や幹事長(二階俊博衆院議員)、一緒にパンケーキを食べた官房長官(菅義偉前首相)はどう動いていたのか、ということ。公判でも明らかにされなかった事件の裏側の「すべて」を知っているのは河井氏だからだ。