トンガ沖海底火山大噴火で懸念 コロナ禍に「令和の米騒動」の現実味
15日に南太平洋のトンガ沖で発生した海底火山噴火の影響で、コメ不足を懸念する声がSNS上で相次いでいる。31年前にフィリピンで起きたピナトゥボ火山噴火を想起させるからだ。
20世紀最大級といわれた1991年6月のピナトゥボ噴火は、最初の大爆発で高さ7000メートルの噴煙が立ちのぼり、世界的に気温が下がる気候変動の原因になった。
日本では、93年夏に気温が平年より2~3度低くなる記録的な冷夏を経験。深刻なコメ不足に見舞われた。政府が備蓄米23万トンをすべて放出しても200万トン以上の供給不足。国はタイ米の緊急輸入を決めたが、日本米の買い占めや売り惜しみが横行し、米屋の前に行列ができるなど日本中がパニックに陥った。「平成の米騒動」である。
今回のトンガ沖噴火は、ピナトゥボと同程度かそれ以上とみられる規模だ。気象衛星「ひまわり」による観測では、噴煙は高度1万6000メートル、半径260キロにも広がっているという。260キロといえば、東京から名古屋くらいの距離だ。