【Q】前夫と死別、再婚した相手のDVとモラハラがひどくて…
40代で夫と死別して50歳すぎてから再婚しました。生活はなんとかなるけど、やはり一人でやっていくのは寂しいですから。相手は同世代。最初は優しい人でうまくいっていたのですが、アルコールが入ると酒乱気味になってDV男ということがわかりました。勤務先の人間関係がうまくいっていないことも関係していると思います。物を投げるだけでなく、モラハラで私のことをなじるのがひどくて困っています。何か対策があったら教えてください。 (50代・会社員)
【A】これ以上続けるなら警察に通報する荒療治で改めさせるしかない
人の恋路に他人がどうのこうのと口を挟むことは、はばかられるというのが世間の常識というものでございましょう、が、たった一つだけ申し上げることが許されるならば「DVのご亭主」だけはおやめになられた方がよろしいかと存じます。人間の価値の最大のものは人に優しくできる「心」であると考えます。思いやりがあって親切であること、でありさえすれば、それ以上の大概の欠点はヤリ過ごした方がいいのでは、と思うのです。
人間にはなくて七癖と申しまして、どちらさまの偉人、賢人でも、いざお付き合いをしてみれば、遠くで仰ぎ見ている富士山の雄々しさとは違って、近くの山麓暮らしとなれば欠点が目立って落胆させられるということは男女関係ではしばしばのものです。
が、あなたさまにわけもなく、自分の腹立ち紛れで暴力を振るうような狂犬亭主は論外です。いったい己を何さまだと思っているのかと筆を持つ手の震えが止まりません。
人間の基本は孔子さまが申されたように「己の欲せざる所は人に施すことなかれ」にあります。自分が嫌だと思うことは他人にしてはいけないという教えです。一体、暴力亭主はいかなる資格があって、罪もないあなたさまに手を上げ傷つけているのでしょうか。
タレントの熊田曜子さまのケースに見られるように即刻警察に通報し、逮捕してもらわなければならない行為です。あなたさまはご亭主の度重なる暴力行為に対して、どのような態度を示されているでしょうか。ただ黙って耐えているだけでは「俺に惚れているから、好きだから我慢をしているのだ」と勘違いをさせ、ますますエスカレートさせるだけです。
そうした暴力行為を許容しているうちに、あなたさまの体にご亭主の暴力によって取り返しのつかない障害が発生したら、長い刑務所暮らしに行っていただくことは冗談でなくなります。ここは縁あって結ばれたご亭主のためにもキッパリと「これ以上の暴力を続けるならば、あなたを警察に通報して逮捕してもらう」と宣言することです。
こうした暴力男を矯正させるためには、このぐらいの荒療治でなければ改めることはできません。親からせっかく授かったあなたさまのお体を後生大事に守ってこそ、親孝行というものです。
あなたさまの「寂しいから」の忍耐は、親不孝以外の何ものでもありません。そんな暴力亭主に頼らずとも、世の中にはいくらでも優しくあなたさまを真綿で包んでくれる頼もしい男が存在します。失礼を顧みずに申し上げれば、あなたさまは野郎の奴隷になり下がっていませんか。
黙って耐えていると結果はつけ上がらせ、しまいにはボロ雑巾のように捨てられるのがオチです。
方法はただ一つ、人間の尊厳を取り戻すことに尽きます。
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