辻元清美さんが介護ボランティアで再始動「永田町の毒をデトックスしたい」

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辻元清美さん(前衆議院議員/61歳)

 議員の時には時間がなくて、やりたくてもできなかったことを、と思い、介護のボランティアを始めました。もともと高齢者の介護に関心があって。2002年の辞職時(秘書給与流用事件で議員辞職)、寂庵でお寺のお掃除をしながら瀬戸内寂聴さんと暮らす中で、介護に関心があると話したら「それはいい」と。介護の学校に通い、介護ヘルパー2級を取りました。

 でも当時は、どこも雇ってくれなくて。ようやく見つかったボランティア先で着替えていたら「やっぱり帰ってくれ」と言われたこともありました。社会的制裁を受けている感じでした。今回はボランティアを受け入れてもらえて、すごくうれしかった。

 ーー10月31日の衆院選でまさかの落選の憂き目に遭った辻元清美さん(61)。自責の念の日々が今も続いているというが、12月から再始動し、知人に紹介してもらった大阪市西成区の介護施設でボランティアをしている。

 あいりん地区の施設ですから、利用者の大半が生活保護を受けている。路上生活から施設に入るなどさまざまな事情を抱えた人が少なくありません。私も今、80代の両親と暮らしていて、高齢化は大きな政治課題です。それに私のようなシングルは、男性も女性も老後が心配ですよね。老後ひとりでも生きていけるような制度設計が必要だと、身につまされていたんです。

 本当は不安を抱えて生きていても、議員の時は言いにくかった。みんなに頼られる強い人にならなきゃと鎧をかぶっていたようなところがあった。結局、その鎧が落選の原因だったんじゃないかとも思う。だからもう一度、等身大の辻元清美に戻って、鎧を脱ぎ捨て、永田町の毒をデトックスしたい。今は、弱音を吐いてもいいじゃない、という気持ちでいます。日常をもっと大事にするというか。

今後については「少し立ち止まってみてもいいかな、と」

 ーー捲土重来はいかに。最長4年先となる衆院選ではなく、来夏の参院選への鞍替えを期待する声もある。「辻元さんを再び国政に送り出そう」というネット署名活動も立ち上がっている。

 国会の外に出て、こうしてボランティアで高齢者の方と話をしていると、正直者がバカを見る世の中に腹が立ちます。この間も、「台湾料理屋さんで働いていたけど、今は生活保護を受け、ここに来ている。台湾料理を作ってみんなに食べさせてあげたい」って。そうやってみんな一生懸命生きているんです。一方で、国会の世襲議員らを見ていると、あまりにも不公平だと思うんですね。こういう現場を知らないでしょう、と。

 今後については、年明け(22年)に真剣に考えなきゃいけないと思っていますが、今は自分の心の声を聞いています。会う人会う人に「どうするの」と聞かれ、「国会に戻って」と言ってもらえるのはうれしい。でも、今回、自分が受けた厳しい審判によって、自分がちゃんと変われるかどうか。変わらないとまた選挙をやっても厳しい審判を受けるんじゃないかと思うんですよ。年齢的にも、自分の人生について考える時期。今まで本当に私生活も何もなかったですから。少し立ち止まってみてもいいかな、と思っています。

 ーーコロナ後の新世界。落選し、議員ではなくなって、見えてきたものがあったという。逆に政治に対する思いは強まっているようだ。

 コロナ禍で格差がさらに広がりました。大儲けした人がいれば、一方で食べる食料もないという人が増えている現実がある。格差の解消は政治の役割。持続可能な社会や経済をつくらなきゃいけないと考えると、ポストコロナの時代は、金持ちにならなくても、年を取ってからもボチボチ生きていけるような社会にしなければ、みんな生き残れないんじゃないかという気がします。

 自分もそうですが、将来の不安が多くの人の悩みとなっている今、成長一辺倒では限界に来ているのかもしれない。新しい生き方みたいなものや、それを支える政治が大事なんだと、政治から離れてつくづく思うようになりました。どうしても議員でいる時は「成長と言わないと」、というのがあったけれど、実は威勢のいい話ができない時代だということを、議員から離れて、正直に認め、言えるようになりました。だから、万博とかカジノとか、維新の主張はむなしく聞こえます。正直に、一生懸命生きている人が報われる社会、安心して暮らしていける社会にしなければ、と思います。

 どういう社会政策や経済政策がいいのかは、まだ星雲状態でもやもやしていますが、何か新しいビジョンをつかみ取りたいと思っています。

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