【Q】新幹線の中で酒を飲んで大声を出す人を注意したら無視された…
仕事柄、よく新幹線を利用しています。一時はコロナでガラガラでしたが、最近は利用者が増えて団体客も多くなりました。緊急事態の時と違って最近は酒を飲んで大きな声を出す人が増えています。コロナが減ったから騒いでもいいということでしょうが、公共の場ですから、もう少し節度を持って欲しいと思います。あまりにうるさいとメモを渡すこともありますが、無視されることが多く残念です。 (自営業・65歳)
【A】先日、電車で新聞を広げていたら目の前の美女がバックをドスンと!
この世にはまともでない人間が山ほどいます。お腹立ちはわかりますが、どうか触らぬ神にたたりなし、でやり過ごしていただきたく存じます。
私も先だって電車の中でカラまれて酷い目に遭いました。相手は若い女性です。電車の中で新聞を広げていると突然その新聞のど真ん中にバッグが落ちてきたのです。あまりのことに驚き見上げると、目の前に若い女性が立っていたのです。
彼女は「ゴメンナサイ」と当然口にしてしかるべきお詫びの言葉を口にすることなく、平然としているどころか、私を上から見下ろし「ニヤリ」と不敵な笑みを浮かべたのです。
マスクをかけた目だけの顔からでも整った美形であることはわかりました。なぜにこんな美女が喧嘩を売るような傍若無人な振る舞いをしてくるのか愕然としたのです。
美形は新聞に挟まっている自分のショルダーバッグを肩に掛け直しましたが、悪びれる様子もなく、マスクをかけた鋭い目で私を睨んでいます。その目は「オヤジ、こんなところで新聞を読んでいるんじゃない」と語っていました。
電車の中で新聞を読むといっても、その日の電車の中は混んでおらず、周囲の乗客には迷惑をかけない十分なスペースが確保されていたのです。
それなのに美形は私の前に立ち、わざわざ肩に掛けたバッグを落として「威嚇」してきたのです。
「お嬢さん、理不尽なことはやめましょうよ」と言いかけましたが、やめました。言うと再びバッグを落としてくるような気がしたからです。君子でもない身でございますが、「君子危うきに近寄らず」の言葉が頭をよぎりました。ここは相手をたしなめることは諦めて、トラブルを挑んでくる相手から身をかわすことを考えましたが、かといってどこにも空いている席はありません。
仕方がなく目を閉じ、時が過ぎゆくのを待つと、しばらくして目の前の美形はドア近くの場所に移っていったのです。ホッとしました。明日の朝刊に「アノ村西監督が女性乗客とトラブル」の見出しの記事が載ることから免れることができたからです。
かくのごときに有名税と申しましょうか、日常生活で無礼な相手に遭遇し、我慢を強いられることが少なくありませんが、それでもできる限り辛抱することを己に課しています。
その昔、知人の男がふとした喧嘩で相手を殴りましたが、その殴られた相手が倒れ、頭の打ちどころが悪くて死亡するという事件を起こしたことがあったのです。そのことを知ってから、絶対にトラブルを回避しようと自らに言い聞かせています。
正義はあなたさまにありますが、物心ついて諍いを起こし、一度も得をしたことがありません。心してください、身に降りかかる火の粉からは逃げるが勝ち、ということを。
◆悩み相談募集 村西監督への相談、怒り、悩みを募集しています。ハガキに郵便番号、住所、氏名、年齢、性別、職業、相談内容、電話番号を明記のうえ、〒104-8007 日刊ゲンダイ「村西監督相談」係まで。
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