オミクロン株の猛威を招く貧弱な早期発見体制…岸田政権は「全検体ゲノム解析」の早期実施を!

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 新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」は、早くも国内で2例目が見つかった。海外では市中感染が相次いでいる。日本でもオミクロン株が市中に広がるのは時間の問題とされる。少しでも市中感染を食い止めるためには、感染者を早期に発見し、隔離するしかない。ところが、日本は早期発見のための検査体制が極めて貧弱だ。このままでは、あっという間にオミクロン株が国内に蔓延しかねない。

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  ◇   ◇   ◇

 オミクロン株は、いったん市中に入ると急激に広がる。南アフリカでは11月上旬までデルタ株が主流だったが、わずか3週間でほぼ100%オミクロン株に置き換わった。デルタ株が下火だったため、新たな変異株が優勢になるのも早かったのだ。現在、デルタ株が収まっている日本も他人事ではない。

 南ア以外でも市中感染が次々と確認されている。英スコットランドで感染が確認された9人は、最近の海外渡航歴がなく、先月20日の私的イベントで集団感染したとみられている。南アが世界保健機関(WHO)にオミクロン株を初めて「報告」した同24日よりも前だ。

海外で市中感染相次ぐ

 オランダでも「報告」前の19日と23日に採取された検体からオミクロン株が検出された。ドイツでは海外渡航歴のない男性の陽性が判明し、イスラエルやオーストラリアでも市中感染が確認されている。

 オミクロン株は各国に根を張りつつあるのだ。

 市中に入ってしまった以上、オミクロン陽性者を早期に発見し、隔離することで感染拡大を食い止めるしかない。コロナ陽性者がオミクロン株に感染しているのかどうか判断するには、検体をゲノム解析する必要がある。

 感染拡大を阻止するためには、すべての検体をゲノム解析するしかない。ところが、日本のゲノム解析の対象は、陽性者のわずか5~10%。ゲノム解析件数の引き上げについて、後藤厚労相は「能力を最大限発揮して実施してもらう」とテキトーなことを口にしている。「全数」でなければ、隠れオミクロン陽性者がウイルスを拡散するのは目に見えている。

仙台市は全検体ゲノム解析

 陽性者の全数ゲノム検査は難しいのか--。仙台市は今後、すべての感染者の検体をゲノム解析する方針だ。仙台市に聞いた。

「次世代シーケンサーを導入し、今年8月から市の衛生研究所でゲノム解析ができるようになりました。今夏のような感染爆発だと、陽性者の全検体のゲノム解析は難しいが、感染が収まっている今なら十分対応できます。全数ゲノム解析により、オミクロン感染者を早期に見つけ、感染拡大をさせないつもりです」(感染症対策室)

 次世代シーケンサーは、それほど高額ではない。仙台市は2000万円で購入したそうだ。1回で25人分処理できる。1回あたり経費が1万円かかるが、1人あたり400円程度だ。結果判明まで3~5日要し、1週間で50人分のゲノム解析ができる。

 岸田首相は市中感染を最小限に食い止める気があるなら「全数ゲノム解析」を実施すべき。ハードルは高くない。

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