「オミクロン不況」襲来リスクが岸田政権の55兆円経済対策を直撃!"アベスガ”と同じ轍か

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 WHO(世界保健機関)が最も警戒度の高い「懸念される変異株」(VOC)に指定した、南アフリカ発の「オミクロン株」。世界で猛威を振るうデルタ株(インド株)より感染力が強い疑いや、新型コロナワクチンの予防効果を弱体化する懸念があり、経済回復を期待していた市場心理を冷やしている。すでに欧州やオーストラリアにまで上陸し、感染拡大と共に“オミクロン不況”をもたらしかねない。

 ◇  ◇  ◇

 オランダの国際通信社「BNOニュース」の集計によると、28日までに確認されたオミクロン株は南アを中心に、英国や香港など9地域で計115件。この他に、オランダ、ドイツ、デンマーク、オーストリアなどで、オミクロン株と疑わしき事例が計1073件も発生している。早くも欧州、アジアまで広がっているのだ。

 米国は「すでに(オミクロン株が)入ってきていても驚きではない」(米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長)として警戒を強め、バイデン米大統領は26日、南アなどアフリカの計8カ国からの入国制限を発表。英国やカナダもアフリカからの入国を原則禁止し、イスラエルに至っては欧州を含め、すべての外国人の入国を14日間、禁止することを決めた。

 世界各国がオミクロン株の感染拡大を防ごうと必死になっている一方、心配なのが経済への影響だ。

 オミクロン株の脅威に、市場は敏感に反応。26日の米ニューヨーク株式市場ではダウ平均株価の下げ幅が一時、1000ドルを超え、終値は前営業日比905.04ドル安の3万4899.34ドルまで落ち込んだ。約1カ月半ぶりに3万5000ドルの大台を下回り、アジアや欧州市場も同時株安となった。

 国際通貨基金(IMF)はワクチン接種の進展などを踏まえ、世界経済の成長率が今年は5.9%、来年は4.9%になると予測していたが、“オミクロン不況”が到来してしまうのか。

岸田政権の55兆円経済対策直撃

「オミクロン株の登場は結果的に、欧米の緩和縮小や利上げの動きに対する牽制になりましたが、マーケットは広範囲に及ぶロックダウンや入国制限など、経済活動を停滞させるリスクを懸念しています。オミクロン株の感染力やワクチン効果への影響次第では、ワクチン接種の進んだ先進国で、追加接種の計画も見直さざるを得なくなるでしょう。途上国へのワクチン供給が再び滞り、新たな変異株の出現にもつながりかねない。新型コロナが世界を襲い始めた昨春と同じく、現状の不安は経済停滞を深刻化させる恐れがあります」(経済評論家・斎藤満氏)

 オミクロン株の震源地である南アでは、今月初めに100人台だった新規感染者が25日には2465人、26日には2828人に到達。27日には3220人まで急増した。

 ところが、日本の水際対策はユルユル。すでに欧州やアジア地域でも確認されているのに、アフリカ9カ国からの外国人の入国制限にとどまっていたが、岸田首相は29日、「オミクロン株」の世界的な拡大を受け、全ての国を対象に、当面の間、新規入国を原則停止すると表明した。ただ、肝心の空港検疫は昨年7月末、PCR検査から精度の低い抗原検査に切り替えて以来、そのままだ。

 アルファ株(英国株)とデルタ株の流入を許しただけに、今回も上陸必至である。

「オミクロン株が国内に入り込み、感染拡大を招いたら、岸田政権が打ち出した55兆円の経済対策はムダ金になりかねない。GoToキャンペーン再開や財政出動をしたところで、国民は自粛せざるを得ません。経済を回したいなら、まずはオミクロン株を入れないことが先決です」(斎藤満氏)

 コロナ対策を最重要課題に掲げた岸田政権。変異株による感染急拡大を防げなかったアベスガと同じ轍を踏むことになるのか。

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