【山形内陸風の芋煮】牛肉の甘味が上品
麺ダイニング ととこ(東京・御茶ノ水)
芋煮というと河原で行う巨大鍋を使った味噌味の鍋というイメージだったが、地域によって材料と味は異なる。味噌と豚を使うのが庄内。今回紹介する内陸では牛肉と醤油と砂糖を使うそうだ。
早速、一口食べると汁の中の牛肉の甘味が広がり、すき焼きのようなゼイタクな味わいだ。
「里芋、ネギ、コンニャクが基本ですが、そのときに家にある、ゴボウや豆腐、キノコなど、みんなが持ち寄ってきた食材を鍋に入れる。それが芋煮です」(菅原さん)
かつては里芋の収穫期である秋や冬の食べ物だったが、いまは山形産冷凍里芋も入手できるようになり、一年中食べられるそうだ。
《材料》4人前
・里芋(一口大) 400グラム
・白コンニャク 1枚
・長ネギ 1本
・牛肉切り落とし 100グラム
・醤油 大さじ2~3
・砂糖 大さじ1
・日本酒 100㏄
・水 800ミリリットル
《作り方》
(1)里芋の皮をむいて食べる大きさに切る。ネギも一口大に斜めに切る。コンニャクは一口大にちぎる
(2)鍋に水を入れて里芋を5分ほど下茹でしアクをとる
(3)里芋が茹で上がったら、鍋にコンニャク、砂糖、日本酒の順に入れて15分ほど煮る
(4)醤油、牛肉を入れ、味が染みこんでから、ネギを入れ軟らかくなったら出来上がり
▽菅原由紀子(すがわら・ゆきこ)
1958年、山形県西村山郡西川町生まれ。食に関心が強くて食堂まで開業した父の影響を受け、子ども時代から食べ歩きが趣味。大学卒業後は水質分析の研究室で働くが、結婚を機に退職。子育てをしながら和食から喫茶、ファミレスまでさまざまな飲食店で料理とサービスの経験を積む。食の原点である山形料理にたどり着き、ラーメンダイニングとして「ととこ」を開業。
▽ととこ
2012年開業。「ととこ」は山形弁で「鶏」の意味。餌と育て方にこだわった鶏や湧き水で育てられた魚を山形から仕入れている。地酒や地ワインも豊富に揃える。化学調味料は一切使わず、毎日でも食べられるというラーメンは女性ファンも多い。
東京都千代田区神田小川町3-10-9 斉藤ビル1階
℡03.5577.4404
営業時間=11時~22時30分(日曜日は15時閉店)