【違法証拠入手】自民・国光文乃議員陣営が“集団買収”!岸田首相応援演説のサクラ動員に「日当5000円」

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 岸田首相を見にいくだけで5000円ーー。そんなオイシイ話が先の衆院選で実在した。舞台は茨城6区。野党一本化による激戦に苦しんだ岸田派の女性候補陣営が駆使した“禁じ手”の証拠文書を日刊ゲンダイは入手。公職選挙法違反の「集団買収」の疑いは濃厚で、国政選挙のたびに不正が飛び出す自民党の体質と説明責任が問われる。

  ◇  ◇  ◇

「茨城6区、大激戦です。この厳しい選挙、何としても国光文乃を勝ち抜かせていただきますよう岸田文雄からも重ねてお願い申し上げます」

 10月26日火曜の昼下がり、つくば駅前で岸田首相はそう訴えて約20分に及ぶ応援演説を締めくくった。横でうなずくのは岸田派の国光文乃候補。彼女は岸田首相の地元入りを4日も前からSNSなどで猛烈に宣伝していた。

 問題のファクス送付も同じ10月22日の午前10時半すぎ。日刊ゲンダイが入手したその「案内状」には〈自民党総裁 岸田文雄氏 遊説への参加協力につきまして〉とある。送り主は「茨城県運輸政策研究会 専務理事」。政策研は県内約1600の運送業者が加盟する「県トラック協会」が1998年に設立し、上部団体の「全日本トラック事業政治連盟」は自民党の有力支援団体だ。

日当支払いは常習化か

 6区内の石岡・土浦・常総の「関係支部長各位」に送った案内状には岸田首相の演説日時と場所に加え、こう記してある。

<要請人員につきましては、問いませんが最大で5名以内(略)参加者に対しまして、日当5000円/人をお支払いさせていただきます>

 選挙区内の「サクラ」動員に日当まで出すとは穏やかではない。公選法は選挙運動の対価に金銭を払える対象は、事前登録したウグイス嬢など例外的な一部の運動員に限ると厳格に定めている。今回の選挙でも近畿ブロックで比例復活した維新候補の運動員が、ビラ配布の見返りに日当1万3000円を渡す約束をしたとして、公選法違反容疑で逮捕されたばかり。

 さらに日刊ゲンダイは<国光あやの衆議院議員街頭演説日当>と記された領収書も手に入れた。日付の10月27日には安倍元首相が石岡市で応援演説をしており、日当支払いの常習性すら疑われる。

「公示直後に国光陣営は金子恭之総務相や森雅子元法相らを応援に呼んでも20~30人しか集められなかった。現職首相と元首相が応援入りするのにメンツが立たないと国光事務所側が相当焦った結果、カネに頼ったのではないか。10月29日には菅前首相も地元入りしましたが、この日の動員にも日当を出したようです」(地元政界関係者)

違法濃厚の新たなサクラ疑惑

 岸田首相、安倍元首相、菅前首相の応援演説には「いずれも500人以上の聴衆が集まった」(地元有権者)という。5000円×500人×3回と単純計算で少なくとも750万円を用意していたとしておかしくない。その原資は誰が負担したのか。

 日刊ゲンダイの取材に政策研は「この件に関しては回答を控えさせていただきます」(担当者)、国光事務所は「全く承知しておりませんので、コメントは差し控えます」と文書で答えた。

「今回のケースは公選法が禁じる2つの買収に当たる可能性があります。まず街頭演説を盛り上げる仕事の対価として日当を払えば『運動買収』。また、たとえ阿吽の呼吸であっても現金を受け取る側が投票依頼と受け止めれば『有権者買収』となり得ます。投票日直前、数百人単位に金銭を渡したのなら、極めて悪質性が高い案件です」(公選法に詳しい神戸学院大の上脇博之教授)

 禁じ手の成果か、国光氏は肉薄された立憲候補を土壇場で振り切り、当選した。地元広島の河井元法相夫妻事件に続き、再び浮上した「集団買収」の疑い。自派閥議員の新たな「サクラ疑惑」に、岸田首相はどう落とし前をつけるのか。

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