自民・河村建一候補「比例中国」→「比例北関東」追放劇のア然…安倍家・岸家に影響力低下の焦り

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 19日に公示された衆院選で驚いたのは、山口3区の公認争いで林芳正元文科相に敗れて引退した河村建夫元官房長官の長男・建一氏が、当初発表されていた「比例中国ブロック」ではなく「比例北関東ブロック」に変更になっていたこと。どうやら裏には、地元での影響力低下に焦る安倍元首相の蠢きがあったようだ。

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  ◇  ◇  ◇

 先週16日、自民党山口県連が、岸信夫会長名で党の選対委員長宛てに「比例候補者について」という文書を提出していたことが分かった。そこにはア然とするほどトゲトゲしい文言が並ぶ。

 河村氏の長男が中国ブロックの候補となったことについて〈当県連から党本部に対して公認決定を願い出た候補でもありません〉〈河村建一氏が決定されたことに強く抗議を申し上げるとともに、この方は、山口県連とは何ら関わりのない候補であることを確認させていただきます〉。そのうえで、〈杉田水脈候補の名簿上位搭載にご配慮いただきますよう、強くお願い申し上げます〉と記されていた。

 杉田氏は「LGBTには生産性がない」で物議を醸したウルトラタカ派の女性前職。安倍元首相の強力なプッシュにより、前回2017年衆院選でも比例中国ブロック上位となり、当選した。

 今回も、文書が“威力”を発揮したのだろう。結局、杉田氏は中国ブロック19位(小選挙区との重複候補を除き3番目)となり、一方の河村氏は、北関東ブロック32位(同2番目)へと追い出された形となった。

「15日に中国ブロックに建一氏の名前が入ったのを見て、『世襲で比例優遇はありえない!』と、安倍元首相が激怒し、弟で県連会長の岸防衛相に文書を出させたようです」(党本部関係者)

子飼いの杉田水脈氏を猛プッシュ

 安倍元首相は自分も世襲のくせに、よく言うよだが、ついでに言うと、山口県内の小選挙区の4候補は全員世襲だ。

 県連は日刊ゲンダイの取材に、「杉田さんが県連唯一の比例公認候補であり、ごく自然な形で、県連の認識を本部にお伝えした文書です」(事務局長)と答えた。

 19日の公示日、安倍元首相は地元・山口4区で第一声。09年の選挙以来のことだった。

 もっとも、安倍元首相は公示前から何度も地元入りするなど、これまでのようなぶっちぎりの圧勝に不安がある様子。地元有権者の空気に変化の兆しが見えるからだ。

「首相を退陣し、安倍さんは“終わった政治家”。『次は林(芳正)さんだね』と、有権者の期待は移っている。安倍・岸家が永遠に安泰というわけじゃない。山口県内の小選挙区は、次回は現行の4から3に減ることが確実。だからその前に、河村家を追い出したということじゃないか」(地元関係者)

 岸田政権の人事で、安倍元首相は自身が望んでいた「高市幹事長、萩生田官房長官」が実現せず、いまだにイライラし、細田派の幹部に八つ当たり電話をかけているという。比例名簿に強権“介入”する暴走は、地元・山口でも求心力が低下していくことへの焦りの表れだ。

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