「言わない、出さない、聞かない」財務省の“三ない”はもう勘弁
「どうしましょうか?」
弁護士が尋ねると、赤木雅子さんはすかさず右のこぶしを振り上げた。
「もちろん、やります!」
■情報開示の追加提訴へ
財務省と近畿財務局に情報開示を求め、追加の裁判を起こすことがその場で決まった。13日、公文書改ざん事件をめぐる雅子さんの国家賠償訴訟の弁護団会議でのことだった。
雅子さんの夫、赤木俊夫さんは近畿財務局で改ざんをさせられ命を絶った。しかし財務省はその事実を調査報告書に何も書いていない。裁判でも資料を出そうとしない。そこで雅子さんは8月、財務省に出向き情報開示請求を行った。その時、雅子さんの言葉に職員が凍り付いた顛末は先月、日刊ゲンダイで明らかにしている。
請求したのは2種類。一つは調査報告書を作る際に使った文書すべて。もう一つは検察の捜査で任意提出したすべての文書だ。
その回答が同日、弁護士の元に届いた。結果は……すべて不開示。何にも出さない。よく、全体を黒塗りにした“のり弁”と揶揄される開示文書を見るが、その“のり弁”すら出さない。