連合・芳野会長の発言が“野党共闘ネガキャン”に加担…「自民党の別動隊では」の声

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「共産の閣外協力はあり得ない。(立民の)連合推薦候補にも共産が両党合意を盾に、共産の政策をねじ込もうという動きがある」

「立民には(選挙の)現場に混乱を来さないよう、しっかりとコントロールしてほしい」

 7日、東京都内で開いた会見で、こう発言したのは「連合」(日本労働組合総連合会)の芳野友子会長だった。

 芳野会長は、衆院選後に立憲民主党を中心とする政権が樹立された場合、共産党が「限定的な閣外からの協力をする」――とした「立共党首合意」について難色を示したわけだが、一部の新聞テレビは早速、この発言を大きく報道。<立憲支持母体の連合が共産に難色><野党共闘に亀裂>などと、総選挙前の野党ネガティブキャンペーンに一役買うことになってしまった。

 芳野会長は会見で、コロナ禍で収入減に直面する非正規労働者の組織化に向け、「連合に入りたいと思われる運動をしていかなければならない」とも語っていたが、本気でそう思うのであれば、今のように非正規労働者を大量に生み出す状況を招いた政府・与党の政策転換を訴える立憲、共産の共闘は欠かせないはずだろう。

 野党の結束力を高めたいこの時期になぜ、芳野会長は「敵」を利するような発言をし、さらに野党共闘に「楔」を打つようなマネをするのか。これではネット上で、<「連合」は「野党支持母体」とされているが、実は「与党補完勢力、自民党の別動隊」ではないか>との声が出るのも無理はないだろう。

「連合」は中小企業の代弁者とは言い難い

 厚労省の「2019年労働組合基礎調査の概況」によると、労組を持つ企業の規模は今や「1000人以上」が65%余りを占め、全労働組合員数のうち、自動車や電機などの大企業を多く抱える「連合」が約7割に上る。なるほど、構成労組の状況を考えれば、もはや「連合」は長時間労働や低賃金に苦しむ中小企業の代弁者とは言い難い。政権与党寄りの「経団連」(日本経済団体連合会)と変わらないわけで、これで果たして野党共闘の力になり得るのか。

 埼玉大名誉教授の鎌倉孝夫氏(経済学)はこう言う。

「(連合が)野党の連携や選挙の力になるとは到底思えませんね。第二次安倍政権以降、大企業、大資本優先で、外需だ、輸出だと騒いだ結果、内需がおろそかになり、雇用の不安定化や中小企業の倒産を増やすことになった。このコロナ禍で、今の日本企業、経済の弱点が分かったはずです。今こそ内需拡大にシフトしていくべきなのに、大企業や大資本の姿勢は相変わらずで、その労組も株高を歓迎しているかのよう。今の政治、経済状況の深刻な問題を連合は認識していないのです」

 確かに、ここ数年の国政選挙を振り返っても、「連合」傘下の組織がフル活動した、という話は聞かない。

「一昔前は選挙のポスター張り要員と言われた連合でしたが、今では組合員からも『組合費ばかり高くて頼りにならない組織』とボヤキの声ばかり漏れている。とてもじゃないが、国政選挙で頑張る組織とは思えません」(与党担当記者)

 立憲民主の枝野代表は芳野会長の発言に対し、「(立共党首合意は)連合としても一定の理解をいただける内容」などと沈静化に努めていたが、この際、思い切って距離を置いたらどうだろうか。

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