「日大背任事件」田中理事長と井ノ口容疑者、籔本容疑者を繋いだ“女傑”の正体 マンモス大学を食いモノに

公開日: 更新日:

「日大医学部付属板橋病院」の建設をめぐる背任事件は、国内最大のマンモス大学の現役理事と関西屈指の医療法人グループの経営者が逮捕される事態に発展した。

 逮捕された日大の井ノ口忠男(64)と大阪市の医療法人「錦秀会」前理事長の籔本雅巳(61)両容疑者らは、板橋病院の建て替え工事の設計業務を受注した都内の設計会社に対し、着手金約7億3000万円のうち2億2000万円を籔本容疑者が所有する都内のペーパー会社の口座に送金するよう指示。昨年8月上旬に実際に送金させて日大に損害を与えた疑いが持たれている。

 井ノ口、籔本両容疑者を引き合わせたのは、広告会社を経営する井ノ口容疑者の実姉H氏だ。2人の邂逅は10年ほど前にさかのぼる。スポーツ選手から芸能人まで幅広い人脈を持つH氏が、弟の井ノ口容疑者を籔本容疑者に紹介。ゴルフトーナメントの仕事をしていた井ノ口容疑者とゴルフが趣味の籔本容疑者は、意気投合した。後に日大の理事となる井ノ口容疑者が日大アメフト部の先輩、内田正人元監督(66)を介して田中英寿理事長(74)と知り合ったのも、ちょうどその頃だった。

 井ノ口容疑者はその後、姉を田中夫妻に会わせ、理事長の優子夫人が経営する東京・杉並区のちゃんこ屋近くのマンションを購入。姉と弟は手を携えて、田中夫妻との関係を深めていく。

■10億円の広報予算を握る

「井ノ口さんとお姉さんは大阪のレジャー関連会社のイベントや広告を手掛け、羽振りが良かったのですが、8年ほど前、突如、契約を打ち切られてしまった。困った2人は田中夫妻にすり寄った。人たらしのお姉さんは長い間、看病していた母親を亡くし傷心の優子夫人の懐に入り込み、夫人に頭の上がらない理事長を籠絡した。日大本部にはお姉さん専用の部屋が用意され、年間10億円といわれる広報予算の大半を握り、新聞広告、全国の野球場や空港の看板広告、巨人との公式スポンサー契約や130周年の記念事業の広告出稿も任された。完全な金づるです。お姉さんは日大の潤沢な予算をフル活用して冠番組を制作。自らキャスティングをして各業界で人脈を広げていった」(日大関係者)

口うるさいと評判だった

 H氏の会社は、大阪・中之島の真新しいオフィスビルの高層階に事務所を構えるほどにまで成長。井ノ口容疑者が保有する北新地近くの7階建ての自社ビルも、もともとH氏が購入したものを井ノ口容疑者が譲り受けた。

 H氏の自宅は、大阪湾が一望できる兵庫県西宮市の高級住宅街の高台に立つ。

「いつも忙しそうで、よくゴルフに行かれてますよ。貫禄があるというか、まさに関西のおばちゃんといった雰囲気です。町内会にも入らず、ゴミ収集も個人的に業者に頼んでいます。交友関係は派手で、芸能人が出入りしている。家の前でボール遊びをしていた小学生の家に怒鳴り込んだり、迎えに来た運転手を怒鳴り散らしているのを見たことがあります。近所の人は皆、口うるさいのを知っているので関わらないようにしています。15年ほど前にここに住み始めた頃は普通の車でしたが、今はフェラーリ2台とベンツのSLを乗り回しています。日に日に金持ちになっているような感じで、周辺の土地を順番に買い増ししています」(近隣住民)

 きょうだい揃って、日大を食い物にしていたのだろうか。

■井ノ口日大理事に2500万円

 井ノ口容疑者は日大から資金流出があった後、籔本容疑者側から少なくとも現金2500万円を受領した疑いがあることが8日、関係者への取材で分かった。

 関係者によると、翌9月に錦秀会のグループ会社から、井ノ口容疑者の知人が関係する会社に6600万円が送金された。この金は複数の会社を経由し、最終的に井ノ口容疑者は現金計2500万円を受け取っていたという。これ以外にも資金が渡った可能性があり、特捜部は金の流れを調べている。

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