岸田首相が電光石火の“小池知事潰し” 衆院選前倒しで「ファーストの会」騒動わずか1日で終焉

公開日: 更新日:

 早くも分厚いカベだ。小池都知事が特別顧問を務める都民ファーストの会(都ファ)が立ち上げた国政新党「ファーストの会」。3日、結党会見を開いたばかりなのに、岸田新首相の“奇策”によって前途多難のスタートを強いられている。

【写真】この記事の関連写真を見る(14枚)

 次期衆院選は既定路線の「10月26日公示、11月7日投開票」を念頭に、誰もが準備を進めていた。しかし、岸田首相はいきなり選挙日程を丸1週間前倒し。その割を食ったのは、小池知事の顔がチラつくファーストの会だ。

 結党と同時に都ファ公式サイトで始めた候補者公募の締め切りを今月17日に設定したが、たった2日後に衆院選が公示され、選挙戦に突入するハメになるのだ。

「ただでさえ、準備不足の上、この選挙日程は絶望的です。公募で新人候補を選んでも、ポスターの印刷さえ間に合わない。とても“台風の目”にはなり得ません」(政界関係者)

与野党一騎打ちの構図になるだけ

 結党会見で代表の荒木千陽都議は「東京の25選挙区はすべて(候補を)立てたい」と豪語。その願望をかなえるには荒木都議以下、都ファ都議の大半を擁立するしかないだろう。そんなことをすれば党内でも「執行部は節操がない」と国政進出に疑問の声が上がる中、都政は大混乱。小池知事の政治生命すら危うくなる。

 どうやら小池知事の出る幕なし。新党騒動はほぼ1日で終焉しそうな勢いだ。荒木都議は「選挙目当てに『左旋回』を強めていく野党に強い危機感を持って立ち上がった」と語っていた。岸田首相は“小池新党潰し”で自民から離れそうな保守票を奪われずに済む、と踏んだのかもしれない。

「とはいえ、今夏の都議選で都ファが善戦したのは『自民も野党も嫌だから』との消極的支持があったからこそ。衆院選で反自民票の受け皿が減れば、その分、共闘野党と与党の一騎打ちの構図が強調されます。少なくともファーストの会失速で、自民の票が増えることはありません」(ジャーナリスト・横田一氏)

 岸田首相の電光石火の小池知事潰しは、自民にもアダとなりかねない。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のライフ記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    「SMAP再結成」を遠ざけた木村拓哉の余計な一言…「教場」スポンサー離れで制作延期の弱り目

    「SMAP再結成」を遠ざけた木村拓哉の余計な一言…「教場」スポンサー離れで制作延期の弱り目

  2. 2
    「BE:FIRST」Mステ初出演で“ジャニーズの圧力”が白日の下に…過去には沖田浩之、竹本孝之も出演できず

    「BE:FIRST」Mステ初出演で“ジャニーズの圧力”が白日の下に…過去には沖田浩之、竹本孝之も出演できず

  3. 3
    ジャニーズの闇を“最もよく知る男”はどこへ…10.2会見欠席なら「紅白出場ゼロ」まっしぐら

    ジャニーズの闇を“最もよく知る男”はどこへ…10.2会見欠席なら「紅白出場ゼロ」まっしぐら

  4. 4
    元シブがき隊・本木雅弘はなぜ潰されなかった? 奥山和由氏が明かしたメリー氏の「圧力」

    元シブがき隊・本木雅弘はなぜ潰されなかった? 奥山和由氏が明かしたメリー氏の「圧力」

  5. 5
    介抱するフリしてトラック車内で性的暴行 下半身裸の女性を路上に放置しパンティーを投げつける

    介抱するフリしてトラック車内で性的暴行 下半身裸の女性を路上に放置しパンティーを投げつける

  1. 6
    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  2. 7
    Snow Man依存で業績回復の不二家が恐れるジャニオタ離れ…“ジャニ切り”企業が株価低迷の最中

    Snow Man依存で業績回復の不二家が恐れるジャニオタ離れ…“ジャニ切り”企業が株価低迷の最中

  3. 8
    ヤマト運輸「大量解雇」は数千人規模 個人事業主約3万人に続き、パートも対象へ

    ヤマト運輸「大量解雇」は数千人規模 個人事業主約3万人に続き、パートも対象へ

  4. 9
    岩井明愛には思わぬ誤算で「完全」消滅…3週連続Vへ挑むシーサイドコースの“異変”

    岩井明愛には思わぬ誤算で「完全」消滅…3週連続Vへ挑むシーサイドコースの“異変”

  5. 10
    オリオールズ藤浪晋太郎はポストシーズン戦力外危機…渡米1年目の地区Vから一転、何が?

    オリオールズ藤浪晋太郎はポストシーズン戦力外危機…渡米1年目の地区Vから一転、何が?