安田賢治
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安田賢治大学通信常務取締役、情報調査・編集部ゼネラルマネージャー

兵庫県生まれ、早稲田大学卒業後、1983年大学通信入社。現在、常務取締役で出版編集とマスコミへの情報提供の責任者。小中高入試から高校の大学合格実績、大学生の就職までの情報提供と記事を執筆。講演も多数。大正大学人間学部で講師も務める。著書に「中学受験のひみつ」(朝日出版)、「笑うに笑えない大学の惨状」「教育費破産」(ともに祥伝社)がある。

<1>コロナ禍で余儀なくされたオンライン授業…注目の大学はどこ?

公開日: 更新日:

 新型コロナウイルスの感染が続く中、9月1日から大学入試の「総合型選抜」の出願が始まり、各校で面接や小論文などの試験が進んでいる。新型コロナの影響で対面授業を休止する動きが相次いだこともあり、今年の大学受験生は首都圏を避け、自宅に近い地元の大学進学を選ぶ傾向もみられたというが、来年の受験はどうなるのか。大学通信ゼネラルマネジャーの安田賢治氏が読み解く。

 ◇  ◇  ◇ 

 新型コロナウイルスの感染拡大が、2021年入試には大きな影響を与えた。今年から新しく始まった共通テストは「第1日程」「第2日程」「追試」の前代未聞の3回実施となった。「第2日程」は、学校休校期間で学習が遅れた受験生への配慮で設けられたが、志願者数はわずか718人。共通テスト志願者53万5245人の0.13%に過ぎず、「第1日程」の受検者が圧倒的に多かった。受験生に配慮した措置だったが、効果はほとんどなく、来年は2回実施に戻る。

 一方、大学も急きょ、オンライン授業導入を余儀なくされた。

 ほとんどの大学で初めての試みとして始まったが、評価は大学によって大きく分かれた。大学通信は2021年7月に2000校を対象にアンケートを実施し、739校から回答を得た。その中で「コロナ対応が上手だったと思われる大学」について5校ずつ記入してもらった。

千葉工業大は学生全員にiPad貸与していた

 トップは千葉工業大。昨年6月から対面授業を再開し、検温、消毒を教職員総動員で実施したという。対面授業再開は早い方で、特に理系学部では実験、実習があるため早期の再開を目指す大学も多かった。千葉工業大では、学生全員にiPadを持たせていたので、オンライン授業は問題なく実施できた。

 ただ、地方からの学生などが部屋から出られず、食事への不安があったため、学生には無料で学生食堂の食券を配り、朝から晩まで営業し、学生の食の安定化を行ったという。さらに、コロナ不況の到来を見越し、今年の入試では共通テスト利用入試の受験料を無料にした。

 千葉工業大のように、コロナ禍での入試対応への評価は高い。受験に行くことはコロナ感染リスクを高めることになるからだ。

 大手大学の中では、早くからコロナ対策を実施した立教大が2位だった。今年から全学部で試験日自由選択制の入試を実施した。英語の試験を外部英語試験か共通テストの成績にし、大学独自の英語の試験は文学部の1方式のみとなった。コロナとは関係なく入試改革として実施されたが、結果として試験時間が短くなり、試験日を増やすことで受験生の集中を防いだことが評価された。

■5位横浜国立大、16位宇都宮大は独自の二次試験廃止

 5位となった横浜国立大、16位の宇都宮大は、いずれも大学独自の二次試験を廃止し、共通テストのみで合否判定する入試を実施した。

 コロナ感染へのリスク軽減のためだ。ただ、国公立大のこういった入試変更は、高校の教員には高評価だったが、受験生に受け入れられず、志願者減の大学が目立った。特に横浜国立大は前年に比べて5割近く志願者が減った。

 共通テストの成績で合否を決めることは、共通テスト終了時に合否がわかってしまうことに他ならない、大学独自の二次試験での逆転はないため、共通テストの出来が悪いと、すぐに志望校をあきらめた受験生が多かった。

 大学の受験生のことを思う気持ちはわかるが、入試方式の大幅な変更は志願者の増減に直結する。慎重な対応が求められるといえそうだ。

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