訪日客消えローカル鉄道は苦境だが…コロナ禍は「地元の良さを見つめ直す好機」
ローカル鉄道がコロナ禍で“転機”を迎えている。
たとえば1世帯当たりの自動車保有台数が全国トップの福井県では、自宅から最寄り駅の駐車場まで車で乗りつけ、そこから鉄道で市街地などに向かう交通政策「パークアンドライド」など、さまざまな施策を推進。2008年度の利用者が160万5000人だった福井鉄道福武線は、15年以降200万人前後まで回復したが、コロナ禍の20年度は160万人を割ってしまった。
そんな中、「コロナ禍は地元の良さを見つめ直すチャンスと言えます」と話すのが、鳥塚亮氏(61)だ。鳥塚氏は09年に千葉の「いすみ鉄道」社長に就任。いすみ鉄道は「ムーミン列車」や「伊勢海老特急」などの運行で一躍人気ローカル線に。19年から新潟で2路線のローカル鉄道を運営する第三セクター「えちごトキめき鉄道」社長に転身した。
社長就任後、地元食材のフルコースが味わえる眺望抜群のリゾート列車「雪月花」や蒸気機関車「D51レールパーク」のほか、旧国鉄車両の夜行急行の運行などの企画で、内外から人を呼び寄せ、宿泊や買い物など地元を巻き込んでの活性化に取り組んできた。