自ら戦略パーに? 安倍前首相の“高市応援暴走”が招く「2位岸田・3位高市」連合破綻の大誤算

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 29日の投票日まであと1週間となった自民党総裁選。「世論人気の高い河野太郎ワクチン担当相と議員票に強い岸田文雄前政調会長による決選投票になる」という当初の予想がここへきて変わってきた。安倍前首相のモーレツな支援もあり、高市早苗前総務相が急激に票を伸ばしてきているというのだ。高市氏2位、岸田氏3位の可能性もあり得る情勢だ。

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  ◇  ◇  ◇

 実際、報道機関の最新の世論調査や党員・党友調査では、高市氏の岸田氏猛追が顕著で、特に毎日新聞では「誰に自民党総裁になって欲しいか」のトップは河野氏(43%)だが、2位は高市氏(15%)、3位が岸田氏(13%)だった。自民党支持層に限ると、高市氏(25%)、岸田氏(14%)とさらに差が開いた。

「ネット広告やハガキ配布など、高市陣営の物量作戦はものすごい。タカ派の高市さんの得票結果は、自民党内の右傾化の指標であると同時に、安倍さんがどれだけ力を持っているかを誇示することにもつながる。それで安倍さんは必死なのでしょうが、やりすぎると、本当に高市さんが岸田さんを追い抜いてしまいかねない」(永田町関係者)

 今回の総裁選における安倍前首相の“戦略”は、「岸田・高市の両氏で『2位3位連合』を組み、決選投票で岸田氏が河野氏を下して勝利する」というもの。この戦略で盟友の麻生財務相や岸田氏陣営と、水面下でタッグを組んでいたはずだった。

 ところが、頼みの細田派は幹部連中の動きが鈍く、高市氏の支持を広げるため、安倍前首相が公に「全面支援」を表明。これに保守系の“岩盤支持者”が呼応すると、安倍前首相はツイッターに高市氏とのツーショットポスターを投稿するなど応援がエスカレートしている。

決選投票で河野氏勝利も

 しかし、である。開票の結果、もし高市氏が岸田氏を本当に抜いて2位になり、「河野vs高市」の決選投票になったとしても、「2位3位連合」は成立するのだろうか。

「岸田支持の議員票が高市さんに流れることは、ほぼ100%ありませんよ。保守本流のハト派が宏池会(岸田派)の源流。ウルトラタカ派の高市さんや彼女の支持層とは思想が違いすぎる。『河野vs高市』なら河野さんが勝つ。それは安倍さんも分かっているはずなのですが……。岸田派も細田派も困惑しています」(岸田派関係者)

 暴走・安倍前首相が火をつけた党員票の炎は、勢いがつきすぎれば消せなくなる。河野総裁誕生なら安倍前首相にとって大誤算だ。

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