安倍・菅政権で「政治は人」と痛感 国民にウソをつかない人を選ぶべきである
紳士や聖人君子では一国の宰相は務まらない――このセオリーがいつできたのかはわからないが、今回の自民党総裁選にも、それはあてはまってしまうのだろうか。
最初に出馬を表明した岸田文雄さんは、いまどきの政治家には珍しいインテリだと思う。議員一家の3代目だが、どこかの誰かと違って嫌みがない。かつての池田勇人の「所得倍増計画」にならった「令和版所得倍増」を提唱して、小泉政権以来の新自由主義に基づく政策を転換すると主張している。コロナ対策では「健康危機管理庁」を設立し、省庁を横断した対応ができるようにするという。姿勢は明確だ。
【写真】この記事の関連写真を見る(21枚)
昨年は自民党政調会長として減収世帯に限定した30万円給付を安倍前総理に進言したが、土壇場で公明党が出した一律10万円給付案にひっくり返され、株を下げた経緯がある。これも、おそらく育ちの良さなのだろう。クセがなくていい人だから、強硬に押されると受け入れてしまうのではないか。