正気か!医療放棄“追認”の危なすぎる新解除基準…在宅患者8000人超でも「合格」のつじつま合わせ

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 今月12日が期限となっている緊急事態宣言が19都道府県で30日まで延長される。政府の新型コロナウイルス対策分科会は8日、緊急事態宣言の新たな解除基準案をまとめた。感染者数から病床使用率を重視へと転じるが、危険な方針転換だ。

 新規感染者数は人口10万人当たり1週間で25人(ステージ4)を下回ることが宣言解除の条件とされてきた。新基準では感染者数について、「2週間程度安定して減ること」と数値条件を設けず緩和し、「病床使用率・重症病床使用率50%未満」を重視する。尾身茂会長は「新規の感染者数を考慮することは当然だが、それ以上に医療の逼迫の状況を重視する」と説明した。

 西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏(感染症学)が言う。

「新規感染者数を参考程度にするのは危険です。入り口である感染にブレーキをかけなければ病床は足りなくなる。また、病床使用率を重視するとしていますが、使用率を上げたくない病院が患者の受け入れを厳しくする可能性がある。病床が増えない中、無症状や軽症者を幅広く入院させると、使用率が跳ね上がり、病床が逼迫するからです」

都内在宅患者8400人以下なら「合格」

 田村厚労相も7日、「仮に感染が減っても、新規感染者がいるので、自宅療養の比較的軽い方が病床に入る。そうすると病床使用率は下がらない」と語っている。軽症者を受け入れれば病床は埋まる。使用率が上がらないよう、受け入れに慎重になる病院もあるだろう。

 新基準では「自宅療養者や入院療養調整中の合計が大都市圏で10万人当たり60人程度に向かって確実に減少している」との条件を新設した。東京ならナント8400人である。

「自宅療養中の死者をこれ以上、出さないために、在宅患者を限りなくゼロに近づけるべきですが、8000人超が入院できなくても緊急宣言の『解除合格』とは驚きです。医療放棄を公言しているに等しい。解除基準の変更は医療のイロハのイである早期診断、早期治療に逆行している。分科会が解除しやすいようにつじつまを合わせているように見えます」(中原英臣氏)

 入院できない事態は続きそうだ。 

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