森健
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森健防災・BCP(事業継続計画)アドバイザー

1966年生まれ。防災・BCP講座「BB.univ」学長。静岡県庁防災局(現・危機管理部)などで12年間、防災の実務を経験後、住友電装で新型インフルのパンデミック対策を指揮。官民双方の現場を知る防災のプロ。

<5>「BCP活用」を阻む3つの課題…大企業は8割策定も運用はイマイチ

公開日: 更新日:

 2004年に新潟県中越地震、11年に東日本大震災とBCPの必要性を痛感させる災害が相次いで発生。九州北部豪雨や西日本豪雨など毎年のように起こる水害、昨年広がった新型コロナウイルスのパンデミックでも、BCPが注目されている。

 内閣府は2年ごとに「企業の事業継続及び防災の取組に関する実態調査」を実施。昨年3月に公表された19年度版によると、大企業は83.4%が「BCPを策定済み」か「策定中」。中小企業は52.9%だ。大企業はまずまずの策定率でも、中小企業は心もとない。BCPには、課題が多いのも事実だ。

 その一つが、「社内浸透」の問題。BCPは災害時の対応を定めたものだから、社内の全部署、全グループ会社が理解し、これに沿った行動をとらなければ意味がない。しかし現実には、策定していても総務部など一部にしか知られておらず、他部門のメンバーは存在すら知らないケースも少なくない。自分の職場にBCPがあるのかどうか確認するところから始めるのが大切だろう。

 2つ目は「BCPは災害が起きてからのもの」という誤解だ。その中身は災害など有事の際の対応だが、平常時の業務の中でBCPの強化につながる取り組みが多くある。ここに誤解があると、BCPの存在自体がスルーされてしまうのだ。

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