姫田小夏
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姫田小夏ジャーナリスト

上海財経大学公共経済管理学院・行政管理学修士(MPA)。中国ウオッチは25年超、うち約15年を上海で過ごす。アジア・ビズ・フォーラム主宰。日刊ゲンダイでの連載などをもとに「ポストコロナと中国の世界観」(集広舎)。

<5>予算を増やせば地方が潤うわけではない…国家主導のインバウンドはもう卒業していい

公開日: 更新日:

 インバウンドという新しく生まれた産業に最も期待をかけたのが、地方の事業者たちだった。だが蓋を開けてみれば、クルーズ船の寄港地を中心に中国系免税店ができ、化粧品や菓子ばかりがバカ売れした。本来、地方と都市部の均衡を取るためのインバウンド政策でもあったが、結局ここでも格差が生じた。

 近年、観光関連予算はうなぎのぼりだった。2008年の43億円が、20年には15倍を上回る680億円規模に膨れ上がった。この予算をめぐっても地方には行き渡りにくい現状が浮かび上がる。

 コロナ禍の21年度の観光庁の予算は409億円で前年比40%減となった。観光庁による「令和3年度訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業」を見ると、観光案内所の整備・改良、観光スポットのバリアフリー化、トイレの洋式化などに、市区町村が補助金を申請できることがわかる。近年になってようやく水洗化が着手された町や村があることを思えば、これも大事な事業だ。しかし、補助金を最も必要とする過疎の自治体には手が届かない。

 それにはこんな理由があった。「補助金を受けるには、外国人観光客がいつ、どこに何人来たかを報告しなければならない」――ある自治体職員は「マンパワー不足で申請できない」と嘆く。予算を増やせば地方が潤うというわけではない。

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