コロナ第5波“出口なし”…米研究機関が予測した秋冬爆発「1日4万5000人感染」の最悪シナリオ

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「いつピークアウトするのか正確に予想することはできない」「実際の感染はもう少し厳しいものだと思う」――。19日の参院内閣委で、政府の新型コロナ分科会の尾身茂会長は危機感をあらわにした。感染収束の兆しはまったく見えず、感染状況は悪化の一途をたどる。心配なのは、新規感染者数をロクに下げられないまま、秋冬を迎えることだ。

  ◇  ◇  ◇

 19日の全国の新規感染者数は過去最多となる2万5000人超。英オックスフォード大の研究者らが運営する「アワー・ワールド・イン・データ」によると、「欧米よりマシ」と言われてきた日本の1日の新規感染者数は1週間平均で1万6953人に上り、OECD加盟38カ国中6番目に多い(16日時点)。

 米国(13万4394人)や英国(2万8906人)と比べれば「マシ」ではあるものの、スペイン(1万3070人)やイタリア(6245人)、ドイツ(4536人)よりも深刻だ。

 かつて「欧米に比べて我が国の感染者数は格段に少ない」と胸を張っていた菅首相の“楽観”は、とっくに破綻している。17日の会見では現在の感染状況を「これまでに経験のない」と形容したが、過去の感染拡大の経験に照らしても、この先も更なる感染爆発は必至だ。

 懸念されるのは、お盆休みの人の移動が感染状況にどう影響するか、だ。実際、東京五輪開幕を挟んだ7月の4連休(22~25日)で首都圏から地方へ人が移動した結果、2週間後の8月5日には全国の新規感染者数が当時過去最多となる1万5000人を突破。東京、千葉、神奈川、埼玉の1都3県の他、山梨、熊本、沖縄の3県でも過去最多だった(当時)。

 五輪強行の一方で「移動するな」とアナウンスしても、自粛効果がないのは当然で、お盆休みもしかり。航空大手のJALとANAによると、お盆期間(6~15日)の国内線予約状況は、JALが前年同期比14.2%増の47万9593人、ANAが同31.3%増の63万377人だった。これだけ多くの人が動いたのだから、お盆休みから2週間後にあたる今月末からデルタ株が“猖獗を極める”可能性がある。

10月中旬から急拡大、12月には現在の約1.8倍に

 米ワシントン大医学部の保健指標評価研究所(IHME)による日本国内の感染予測(最終更新5日)は、かなり悲観的だ。

 IHMEによると、日本国内の新規感染者数は8月末から9月中旬にかけて急増。10月中旬には現在の感染者数から3割減るが、第5波前の水準(1日1000~2000人)まで落ち切らず、12月には現在の数字から約1.8倍となる見込みだ。

 このトレンドに現在の1日あたりの感染者数(2万5000人)を当てはめると、国内の感染者数は12月に4万5000人に達する。ピークアウトできないまま、かつてない「波」が襲来するかもしれない。医療ガバナンス研究所の上昌広理事長がこう言う。

「今年も昨年と同じく、冬場に感染拡大すると考えています。北半球では世界各国で春、夏、冬と大流行しており、IHMEの予測は妥当でしょう。特に春よりも夏、夏よりも冬の感染状況が深刻化する傾向にあります。日本がこのまま冬場の大流行に備えなければ、現在の第5波以上の感染爆発を招く可能性があります」

 今年の冬も、首相の口から「これまでに経験のない感染拡大」を聞くことになるのか。

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