尾身会長に問われる本気度「見解」は意地かアリバイ作りか

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 菅政権は開催に伴う感染リスクをうやむやに、五輪開催に突き進んでいる。政府分科会の尾身茂会長は20日までに感染リスクについての見解をまとめる意向だ。尾身氏に連なる専門家らは次々警鐘を鳴らし始めているが、果たして、本気で「待った」をかけるつもりなのか。そのポイントは「分科会提言」だ。

 9日の厚労省「アドバイザリーボード」で報告された西浦博京大教授の試算は衝撃的だった。

 試算によると、6月20日に緊急事態宣言が解除された場合、高齢者のワクチン接種が7月末にほぼ完了しても、若い世代の感染が進み、重症者病床が不足する流行が起こる可能性がある。遅くとも8月中に緊急宣言相当の流行になり、宣言期間は2カ月以上という。

 驚くことに、この試算は五輪開催とインド株の影響を考慮していない。西浦氏は7月中旬にインド株が国内の半数を占めるとみている。西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏(感染症学)が言う。

「試算は8月に緊急宣言という強い感染抑制策が必要としていますが、言外に、いわんや感染を促進させる五輪開催は難しいと言っているに等しい。英国株より感染力が強いインド株の流行も考慮に入れれば、なおさらです」

 9日のアドバイザリーボードで国立感染症研究所の脇田隆字所長も「五輪開催はさらに感染者を増加させる要素になる」と警戒を強めた。

ポイントは「分科会提言」

 尾身会長は脇田氏や西浦氏の見方も参考に、開催時の感染リスクをまとめている。インド株の要素も加えれば、開催にネガティブな見解が予想される。

「開催を前提に専門家として厳しい見解を残しておく“アリバイづくり”と見る向きも少なくありません。もし、尾身氏が本気で政府に耳を傾けてもらいたいのなら、有志ではなく、分科会の見解としてまとめることです。分科会の提言は政府からの諮問は要らず、政府もむげにはできません」(霞が関関係者)

 8日の参院厚労委員会で田村厚労相は「分科会で方針が固まってご提言いただければ当然、政府の機関ですから、ご提言は受け取る形になる。政府の機関でない、自主的な研究は参考にできるものがあれば参考にする」と意味深な答弁。政府機関とそれ以外で扱いを変えている。尾身氏は「ともかくどんな形であれ考えをお示しする」と明言を避けた。

 尾身氏が分科会の提言としてまとめれば、「専門家の意地」、有志にとどめれば、「アリバイづくり」――。尾身氏から目が離せない。

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