神戸で新タイプ発見 国産変異株脅威が現実味を帯びてきた

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 神戸市で発見された国内初タイプの変異株に衝撃が走っている。海外から持ち込まれたのではなく、感染者の体内で変異が起きたとみられるからだ。いよいよ、国産変異株の脅威が現実味を帯びる。

  ◇  ◇  ◇

 新たに見つかった変異は、英国株が持つ「N501Y」に加え、インド株の二重変異のひとつ「E484Q」を併せ持つ。神戸市は「N501Y」について従来株と比べ感染力が1.32倍、重症化リスクが1.4倍と推定、「E484Q」はワクチンの効果を弱める可能性があると指摘している。

 感染力が強く、重症化リスクが高い。その上、ワクチンが効きにくいとは最強の変異株である。このタイプの変異株は、海外では欧州を中心に150例、アジアでは5例しか確認されていない。

 確認されたのは市内の50代の男性。5月17日に腹痛などの症状があり、医療機関のPCR検査で陽性が判明。市健康科学研究所で「N501Y」を確認するPCR検査で陽性となり、さらにゲノム解析を実施したところ、31日に「E484Q」も持つことが分かった。

 男性は軽症だったため、自宅療養を行い、27日に療養終了。濃厚接触者の同居人は陰性だった。男性は海外渡航歴がなく、渡航歴がある人との接触はなかった。

ワクチン接種遅れも影響

 新タイプ確認の経緯を市に聞いた。

「英国株の『N501Y』は市内の流行の9割を占めています。男性は市中で英国株に感染したと思われます。ゲノム解析でインド株を特徴づける『L452R』は見つからなかったので、インド株感染は考えにくい。男性の体内でウイルスが増殖する過程で、『E484Q』の変異が起きた可能性が高い」(健康局政策課)

 ゲノム解析が実施されていなければ、見過ごされていた可能性がある。体内変異は誰でも起こると考えると背筋がゾッとする。

 これまで変異株は英国、ブラジル、南アフリカ、インドと、“感染爆発国”で生まれ、世界に広がった。ところが、感染者がほとんどいなかったベトナムでベトナム型が誕生し、今回、比較的感染者数が少ない日本でも新変異が発生した。感染小国でも変異が起こっているのだ。

 西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏(感染症学)が言う。

「ベトナムと日本に共通しているのは、ワクチン接種が遅れていることです。自前の変異株はそれも影響しているでしょう。ワクチンを打っていれば、ウイルスの増殖を防ぐので、体内で変異が起こる可能性も低くなります」

 1回以上ワクチンを接種した人の割合はベトナムでは1%(5月下旬時点)。日本は人口の8%に過ぎない。

「神戸の事例から分かることは、国内でいろいろなタイプの変異株が誕生し得るということです。タイムリーにゲノム解析を行い、新たな変異株を早期発見できる体制を速やかにつくるべきです」(中原英臣氏)

 このままでは変異株の“輸出大国”になりかねない。

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